ゲームブックが廃れた原因。ファミコンの破壊力を語ってみるよ。
こんにちは。ゲームブック投稿サイトの管理者です。
ゲームブックは1984年に「火吹山の魔法使い」がリリースされてから、大変にブームになったんですけど、いつの間にか下火になり、オワコンになりました。
諸説あるんですけど、一番の原因はファミコンをはじめとするゲーム機の台頭。
ファミリーコンピュータ - Wikipediaより画像引用
ではなぜそのファミコンが当時破壊的なイノベーションであったのか。
それについて語ってみたいと思います。
目次
ファミコン以前
ファミコンが発売されたのは1983年7月です。
当時、ゲームをする媒体はパソコンでした。
それもMacやWindowsじゃないですよ。マイコンとも呼ばれたBASICと呼ばれるプログラミング言語を扱うマシンです。
人気のあったのは下記3機種。8ビット御三家と言われました。
FM-7 - Wikipedia 富士通
で、当時はゲームセンターに据え置いてあるいわゆるアーケードゲームをパソコン様にリメイク(移植と言う)して家庭でもゲームが楽しめる! と言う触れ込みが人気でした。
ま、あとパソコン少年は愛機が活躍する姿を見る上でも楽しかったのです。
アーケードの基盤は高価でハイスペック。そのパフォーマンスを自分のコンピュータでも再現できる、みたいな。
なのでゲームを楽しむ目的だけで買っていたわけではありません。
とりわけ、これなんて凄いでしょ。
↑アーケード版のプレイ画面
↑これは当時廉価版のパソコン用にと出されたその名も「タイニーゼビウス」
タイニー(Tiny)はちっぽけな、と言う意味です。まあ、その通りですね。
特殊環境で再現しているので動作が遅いのですが、当時も大体このようにスクロールが波打っていましたよ……。(持ってました)
で、上記に述べた8ビット御三家で作られたゼビウスもたかが知れています。
↑当時の人気パソコン、パソコンテレビX1のゼビウス実行動画。
背景画はインタレースと言われる一行おきに描く事で少しでも処理速度を早める努力が見られます。それでもスクロールがスムーズではありません。キャラクターの動きもぎこちないですよね。
メーカーはシャープ。余談ですが当時シャープはパソコン専門部門ではMZシリーズをリリースしていましたが、門外漢のテレビ部門から出したX1と言うパソコンの方が人気がありました。
ファミコンはイノベーション
そのような状況下で、ファミコン版はこれ。
↑これがファミコン版。背景のスクロールがスムーズ。敵機の動きも存在感のある挙動。音も申し分ない。アーケード版と遜色のないクオリティ。
今の液晶とは違い、当時の家庭用テレビは解像度が低かったため、パソコンと直接つなぐことが出来ないことも多く、専用のディスプレイが必要でした。
当時パソコンテレビX1は本体と専用ディスプレイなどセットで30万もしました。
それが、ファミコンは本体価格14,800円! しかもディスプレイは家庭用テレビでOKだったのです!
性能が格段にいい上に、価格が1/20と言う状況を、イノベーションと言わずして、何と言ったらいいでしょうか?
そしてまたこのファミコンは丈夫だったのです。ゲームをやっていて失敗し、キレる小中生はファミコン本体に八つ当たりしましたが、滅多なことでは壊れなかったんです。
(パソコンはちょっとしたことで壊れますよね……)
ジョブズがiPhoneをリリースして「イノベーション」と謳われましたが、そんなの大昔にファミコンもやったことなのです。
このなめらかなキャラクターの動きはスプライトと呼ばれる機能です。
この機能があったため、開発側としてもパソコン版よりも楽でした。
そのため、高度なゲームが続出し、ユーザーも価格が安いためこぞってゲームを買いあさり、ファミコンはあれよあれよという間に普及しました。
ファミコンはまた拡張性や汎用性も高かったので、コントローラーを別途つけたり、専用フロッピーディスクを接続できたり、様々な用途に使うことが出来ました。
凄いのはファミコンで株式投資もできたんですよ。確か野村證券が提供していました。
まとめ
ファミコンは最終的な出荷台数は全世界累計で約6,291万台なんだそうです。
日本国内だけでも約1,935万台です。文字通りファミリーに1台のコンピュータでした。
ファミコンゲームがゲームブックに移植されるという状況もあったのですが、ゲーム市場に火がつき、スーパーファミコン、プレイステーション……とゲーム機が高度化するにつれて、ゲームブックは廃れていったと言うことです。
でも今はエンターテイメントにメインストリームがありません。
様々なものが受け入れられる下地が出来てきていますので、ゲームブックも一時期ほどの復興はないにせよ、それなりに広がるのではないでしょうか。
以上、北海道からでした。