海外のゲームブック状況が凄い件をお伝えします。これがゲームブック復興のヒントになるかも。
こんにちは。ゲームブック投稿サイトの管理者です。
いろいろ海外の情報を見ています。とりわけKickstarterの動きはかなり重要です。
筆者も「火吹山の魔法使い」をPCゲームとしてリメイクすると言うオーストラリアの会社に少しだけお金を払いましたが、ゲームブックの復刻版や新作のリリースにKickstarterがかなり利用されています。
凄いなと思ったのはこちらのプロジェクト。Trial of the Cloneです。
動画を見ると「髪切れや!」と恐らく彼が理解できないであろう日本語で一回くらいは突っ込んでやりたいところですが、何だか陽気で羨ましい限りです。
このプロジェクトは「CYOA」とか「LONE WOLF」みたいなゲームブックを作ってみたいからお金を出してよ! と言うことらしいんですが、目標額$15,000 に対して$130,132集まったという……。
現在のレートで170万円集めたかった所、1468万円も集まったのですから大したもんです。
今回はこのゲームブックに触れたいと思います。
目次
ゆるすぎる
こう言うゆる~い動画が訴求力高いみたいですね。
(リスニングが殆どできないので)文章を読むと170万円で、書籍の印刷と配達コストはまかなえるそうです。
それ以上おカネが集まったら電子書籍版や限定ハードカバー版も作りたいと言及しています。
564万集まったらオーディオブックを作ると言う話です。
そして1128万円以上集まったらKickstarterで新たな別の企画をするみたいで、実際にTrial of the Clone 2と言うプロジェクトを立ち上げて集金に成功しています。
日本語版は一切出版されていませんがペーパバック版もKindle版もありますし
Trial of the Clone: An Interactive Adventure! (English Edition)
- 作者: Zach Weinersmith
- 発売日: 2014/07/09
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
iOSアプリ版もあります。(Google Play版もありますよ)
で、実際に筆者もダウンロードしてみたのですが。
↑この様に、普通に電子書籍のような文章主体のゲームブックになっています。
で、↑ここにいるオッサンなんですけど(筆者もオッサンだけど)
まず、↑このようにオプションでフォントの大きさや効果音のあるなし、BGMのあるなしを選ぶことができ、男性の声での読み上げもありなしを選べるのです!
そうです。オッサンは音読してくれるために居るんです。なので読ませることで英語の勉強にもなりそうですよ。
↑ちなみに黙らせるとこんな感じ。分かりやすいですねえ。
と言うか、アメリカ人だと思うけども、ユーモアのセンスがあっていいですね。
結構UIが充実していて、↑こんな風に画面タップでメニューを呼び出せるんですけど
例えばバトルシーンがあり、勝敗が決まってから漸く次の飛び先のリンクが表示されるんですけど
↑何かこの赤丸で囲ったフリーチョイスってのを選んだら自由に飛び先に行けるみたいですね。バトルをせずとも。
↑あとここの「ヒールミー」ってやつを押すと
何かスタミナを20ずつ無制限にアップさせることが出来るんですけど……。スーパーマリオの無限ワンアップみたい。
(ウケる。バトルの意味がほぼない)
で、バトルシーンはこんな感じでワンタッチでユーザーのドラムが回転し数秒で数値が確定し、ツータッチで敵の数値が同様に確定します。とても楽です。が、どういう数値を出せば攻撃成功したとみなされるのかイマイチわかりません。
まあ、あんまり気にしないでやっていれば自ずと勝負は決まります。
流石にバトルの最中にメニューを呼び出してスタミナ回復というわけにはいかないみたいなので、要注意です……。
あと、一丁前にアドベンチャーシートも実装していますよ。
何かアイテムを見つけたとか、イベントをクリアしたら更新されていくみたいですね。複数武器を持っていたらこの画面で付け替えて攻撃力を最大にしておく、なんてことも出来そうです。
画面一番下の「ASPECTS」って、外観とか容姿という意味がありますけど、「Uninteresting」ってつまり「オモロくない」ってなってますねえ。
一体どうやったら「オモロくなる」んでしょうか?
謎は深まるばかりです。
インプレッション
英語の読解力がないので殆ど内容を理解していませんが、とにかくUIが良かったです。
テキストはスクロールしないで、紙のページを捲るような感覚で、選択肢が次のページに跨る危険もありそうですけど、何かゲーム全体のテイスト的にあんまり気にならないですね。
それより英語を読み上げてくれたり、バトルシーンも簡単だし、いざとなれば一度前に戻ったり、強引に好きな選択肢を選んだり、体力を勝手に増やすことも出来てやりたい放題なので、全くストレスが発生しません。
ゲームブックにかなり向いた電子書籍の形だと思います。
まとめ
うーん。これを見て思ったのは、ゆるさってかなり必要だなって事。
とくにゲームですからね。楽しむことが一番ですよね。
それがどうも日本人は真面目に考え過ぎなんじゃないかなあと。
やたらと「ゲームブックはどうあるべきか?」と語りたがる人多すぎです。
それがダメとは言いませんが、とにかくゲームブックはエンターテイメント。
ユーザーも作る人も楽しいのが一番。
冒頭の動画についても触れましたが本当に作者は楽しそうにやってますね。
それがゲームブックにあますところなく反映されている感じなんですよ。
とにかく英語なので内容が殆ど分からないのに楽しかったですから!
(ウケましたね。ブックマークもたくさん保存できるので、指セーブもいとも簡単にできますよ)
こういう形でのゲームブックも今後は日本でも受け入れられるんじゃないかなあと思っています。
以上、北海道からでした。
2016年4月25日追記
その後、ネットを彷徨っていたらZach Weiner氏は髪を切った模様。
いいですね。
やっぱりそうなりますよね。