元補聴器専門店の店長が語る! 年配の難聴の方には大声で叫ぶんじゃなくて、優しく明瞭な発音で伝えると良いですよ。
こんにつわ。
ゲームブック投稿サイトの管理者です。
なのにいきなり難聴の話。
かつて補聴器専門店で店長してましたからね。
うちの親が健在なのはいいんですけど、難聴で補聴器もつけてないので意思疎通が大変になってきたところです。
その対策はネタバレしてますけどタイトル通りなんですよ。
よく笑い話でしじみ売りが
あさりー♪ しじみー♪
と販売の声掛けをしているのを聞いた爺さんが
何ィ! あっさり死んじめぇだとォ!
と激怒するオチがありますけど、難聴の方は聞こえ方が違うんですよね。
本日はその辺のところをレポートし、お茶の間の皆様に円滑なコミュニケーションを図るお手伝いができればと思っております。
目次
有毛細胞
詳細はWikipediaとか、ググっていただくとして、ここではサラッと触れます。
人が音声を聞くときに、感音器官の一部である「有毛細胞」が、音を人が認識できる電気信号に変換してくれるんですね。
ところが歳を重ねるとこの「有毛細胞」の働きが衰えます。
それも高周波数の音ほど伝えにくくなり、低周波になるにつれて若い頃とさほど変わらない伝達能力を維持しています。
音声の周波数
ここで、音声というのは母音と子音で成り立っています。
とりわけ子音は高周波数を多く含んでいます。
なので高周波数が聞こえにくいということは、子音が聞こえにくいということです。
つまり、先程の例の
あさりー♪ しじみー♪
は、ローマ字で書くとこうですね。
Asari-♪ Shijimi-♪
子音が聞こえなくなるとどうなりますか?
Asari-♪ Shijimi-♪
はい、こうなりますよね。
ああいー♪ いいいー♪
なので、母音だけ聞こえているんだけど、意味としては通じないわけです。
別の意味で伝わっちゃうんです。
だから、もう一度言って欲しいと難聴の方は思うのです。
怒っちゃや~よ
ここで、大声を張り上げると、どうしても怒られているように聞こえてしまいます。
それが何度か続くと、難聴の方は聞き返すことをやめてしまいます。
だって怒られるのが好きな人はいないでしょう?
好きな人は変なクラブにでも行っちゃうと思いますけど。
そのうち知ったかぶりや聞こえたふりをするようになりますよ。
それで全く見当違いのやり取りになって却ってコミュニケーションに支障が出ませんか?
トンチンカンなやりとりは、第三者に認知症と思われることにもつながりかねません。
あるいはコミュニケーションを取らなくなり、その事で本当に認知症の予備軍になったりとかしたら大変ですね。
はっきりとしゃべる
大切なことは明瞭な発音です。
前述のとおり子音が聞こえにくくなっています。
子音を聞き取れるようにはっきりと発音する。
それだけでかなり聞き取れるはずですよ。
SiriとかGoogleNOWとかCortanaで練習したらいいですよ。
あるいは文脈に即して何度か同じことを別の言い回しで伝えると、聞き取りやすくもなりますし、聞き取る方も類推しやすくなります。
難聴の方にしてあげるのはそれが一番ですよ。
補聴器も一助
本当は難聴の方が自分の聞こえの問題を認識して自発的に補聴器を用意したほうがいいんですけどね。
昔は人件費の割合が多くて補聴器はめっちゃ高かったんですけど、ネットなどで非情に手頃になってきました。
まあ、年配の方でも補聴器を付けるのは嫌がりますね。
驚いたのは80歳を超えた方でも
こんな補聴器年寄り臭い!
と拒絶したこともありました。
誰もが補聴器は年寄り臭いって思ってしまうんですね。
でもデザイン性に優れたものとか、目立たないやつもあるので少しは前向きに考えたらいいですよ。
補聴器業界は喜んでるよ
難聴を助長してしまう物は恐らくご想像がつくんじゃないですか?
パソコンやゲーム、漫画などを貪るように見ていると目が悪くなりますね。
それは目を駆使して使うからです。
同様に、スマホやiPod、古くはWalkmanでヘッドホンをつけて音楽をガンガン聞いてますと、将来が危ぶまれるわけですよ。
耳を酷使することになりますからね。
だから補聴器メーカーや販売店はiTunesに相当感謝していると思いますよ。
音が漏れるほどの大音響で聞いちゃダメですよ。程々にね。
まとめ
とは言っても普通に生きていても歳を重ねれば耳が聞こえにくくなるのは自然です。
早い方は40代で症状が出始めます。耳をお大事に。
周りの方はぜひ怒鳴るような大声ではなく、優しく明瞭で子音をはっきりと発音してあげて下さい。
以上、北海道からでした。