「サザエさん」生誕70年! 漫画といえば手塚治虫と言う方も多いでしょうが、サザエさん漫画版はアニメだけではわからない凄さがありますよ。
こんにつわ。
ゲームブック投稿サイトの管理者です。
筆者はゲームブックも制作しております。
優れたコンテンツとして漫画は大変に勉強になります。
で、漫画と言ったらまずは手塚治虫先生が検索結果の筆頭に出てくると思いますが、
サザエさんもお茶の間に親しまれている存在です。
漫画が原作だという事をひょっとしてご存じない方もいるかもしれませんね。
それほどTVアニメのイメージが強いコンテンツだと思います。
低迷するフジテレビにあってあらゆる世代にも(それこそメインの年配層にも)支持されている視聴率を稼ぎだす大黒柱ですね。
昔はこんな本も流行りましたけどね。
先日コンビニに行ったら週刊朝日の臨時特別号でサザエさんを販売していたので買ってみました。
その時のレポートです。
目次
アニメと異なる世界
どうですか? この表紙。
アニメとは全く異なるタッチが味がありますね。
ページを繰ると、かなり衝撃的な内容にも興味を引くと思いますよ。
↑最初の漫画は24コマです。
磯野家が泥棒に侵入され過ぎというのはもはやネタです。
冒頭からもご多分に漏れず泥棒ネタです。
でもこの回は磯野家のとある人物が泥棒と鉢合わせになるというのに丸く収まっています。
しかもどうやら泥棒は改心し、真面目に生きていく様子を示唆させる展開となっています。
めでたく事件を一件落着させた凄腕人物は一体誰か分かりますか?
ヒントは提示したつもりですよ。
さて、ここで筆者が度肝を抜かれたのはこの作品の余韻の持って行きかたです。
悪い後味をひかないんですよね。笑いとほのぼのとしたものが残ります。
コンテンツ制作者としてはすごく参考になります。
筆者はこんなゲームブックを作りましたが
家康と行く! 浜松市散策アドベンチャーゲーム | 芸夢部倶楽部(ゲームブックラブ)
ゲームという特性上何らかのトラブルを盛り込み、それを解決する、と言う仕掛けが必要なんですけど、「商品やサービスをPRしたい」と言う内容ですと、下手に犯罪とか起こせないですよね。イメージが有りますから。
もとからゲームって結構人殺しとかのオンパレードですよね。
バイオハザードとかどうですか?
確かに相手はゾンビですけどね。
スーパーマリオもクリボーやのこのこを蹴散らし、ファイヤーボールで根性焼きをするようなもんですからね。
もう、シューティングゲームではあなたは一体どれほどの敵機を破壊しましたか?
RPGでも……! ま、とにかく殺してばっかりです。
なかなかゲームで「悪い後味を残さない」ってのは大変なんですよね。
それを長谷川町子先生はいとも簡単に「泥棒」と言うテーマを明るくユーモアを交えて、おまけに一件落着にしているのだからもう、脱帽もんですよ。
激しい攻防も
ま、でも逆に意外な一面もあります。
アニメのほのぼの感に私たちはなれていますからね。
原作漫画では喧嘩するほど仲の良いサザエとカツオの攻防が見どころの一つです。
↑これとかね。
ほんと漫画のような取っ組み合いの喧嘩です。
フグ田サザエ VS 磯野カツオ
一本勝負です。
全く格ゲーなんて比較にならないほどの手に汗握る攻防です。
いや、これは単に一コマだけですけども、いろいろなところで姉弟喧嘩が展開されているんですよ。
でもお互いを思いやる描写も多々あり、文字通り「喧嘩するほど仲がいい」と言う事がひしひしと伝わってくると思いますよ。
喜怒哀楽が激しい
あとコレですね。
筆者がいつも感心するのはイクラちゃんの声優さんです。
彼のボキャブラリーは「ハイ!」「チャン!」「バブー!」の三通りしかありません。
それだけで喜怒哀楽すべてを表現しうるとは。
これは余程の抑揚をふんだんに盛り込んだ声をだすしか方法がありません。
めちゃくちゃレベルの高い話だと思いますよ。
ウメハラさんに「スト2を必殺技だけで勝ってみて」って言うようなもんですよ。
果たして凄腕ゲーマーウメハラさんを持ってしても、通常技なしと言う条件で猛者を倒せるものかどうか。
はい。話を戻しますと、アニメ「サザエさん」では怒っているのは波平とサザエくらいですが……。
漫画でのサザエさんの表情が凄いですよ。
表情豊か
↑こんな感じで怒りを露わにしています。
DIO様超え
↑あと、嬉しいことがあれば人目をはばからず「チューッ」
DIO様どころの「そこにシビれる!あこがれるゥ!」騒ぎではない。
フネも自由すぎ
↑こんな感じで波平も引くくらいの表情で感情を爆発。
フネを見習って質の悪い酔っぱらいに絡まれたらこう言い放つといいでしょう。
(自己責任でお願いします)
男の立場がない
あと全体を通じて思うのは男性の立場の弱体化。
波平と舟の立場も微妙なところです。
舟が波平をある程度立てている様子は伺えますが、喧嘩をしたり、諌めたり、主従関係ではありませんね。
で、全体的にこのように妻が夫を(力で)打ち負かす描写が多いんですよ。
またそこで描かれる女性が腕っ節が強く、悪く言えば本来女性の持つ「美しさ」「可愛さ」と言ったものから逸脱したキャラになっているんですよね。
時代の流れを実に巧みに反映して漫画のネタになっています。
確かにサザエさんを見ていると、「結婚する」と言う価値が揺らいできているというのがよく分かります。
だって、ATMのような存在で、さらに召使みたいな事をさせられ、夫と言う立場の人間のメリットって今皆無ですもんね。
まとめ
昭和というものがどういう世界だったのかが伺えるのがポイントです。
アニメとは異なった「サザエさん」の漫画の世界。
いろいろな気付きや発見、そして笑いとほのぼのと驚愕が待っていることでしょう。
ぜひご一読してみてください。
以上、北海道からでした。