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お母さんが家事で忙しそうにしている。電気もない時代。米は倉庫にある俵に入った玄米を石臼で引く必要があり、洗濯は山中を流れる川へ、掃除はほうきとちりとり、バケツと水で行わなくてはならない。さてあなたは 料理を手伝う [[→【2】へ行く|2]] 洗濯を手伝う [[→【3】へ行く|3]] 掃除を手伝う [[→【7】へ行く|7]] 様子を見る [[→【8】へ行く|8]]
俵も石臼も重たい。女性や子供の力では相当無理がある。だがあなたは類まれなる力持ちだ。あなたは俵を物置から持ち出し、石臼を担ぎ出すと玄米の精米をした。今日一日食べる分量の精米を終えると、あなたは俵と臼を片付けた。すると、棚にかわら版が積んであるのを見かけた。幼いのに文字が読めるあなたは一読した。 『近頃都で流行るもの。疫病・強盗・高利貸し。更には妖怪土蜘蛛が……』 所々読めない。最後の方に『……蜂に』。と記されている。このことを知ったあなたは、8と言う数字を覚えておくといい。 <<set $hachi =1 >> あなたは米を持ってお母さんの元へ戻る。 [[→【1】へ行く|1]]
洗濯をするには山中の川へ持ち込む必要があり、そこでは熊がでる危険を伴っている。 「大丈夫かい? お前は力が強いけど、熊が出たら逃げるんだよ。」 そう言ってお母さんはあなたを送り出した。川に辿り着き、洗濯をしていると、急に小動物が逃げ出した。次第に空気が張り詰め、殺気を感じはじめた。 あなたが振り向くと居た。熊出没注意だ。 あなたは作業を一度保留にし、念の為にウォーミングアップを施す。 茶色い熊 技量二〇 体力二〇 ウオオオッと咆哮をあげると、こんなことを言ってきた。 「やい、小僧。そんなところで何をしている。鮭が寄ってこなくなるだろう。俺は腹が空いているんだ。とっと失せろ」 熊が日本語を話せるかどうかは別として、あなたは動物とも意思疎通できる能力があった。 「先に私が使っていたんだ。順番は守れよ。あと一五分程度で終わる。それまで待てよ」 あなたも子供の割には理論派で、主張のできる男だった。 「だまれ! 俺が先だ!」 茶色い熊はバトルを挑んできた。さて、どうする? 話し合いで解決 [[→【4】へ行く|4]] 戦いを挑む [[→【6】へ行く|6]] 先に譲る [[→【5】へ行く|5]]
あなたは掃き掃除を始めた。だが力が強いあなたは、か細いほうきを不可抗力で折ってしまった! さらに雑巾は引きちぎってしまうし、バケツをひっくり返して床を水浸しにし、お母さんの仕事を増やしてしまった! ……誰にでも向き不向きはあるものだ。お母さんは怒りを通り越して額に青筋を立てて、小刻みに震えながら冷笑を振りまく。万事休すだ。あなたはやむを得ず、 鉞《まさかり》担いで「薪を取って参ります!」と言って山に出かけた [[→【9】へ行く|9]]
あなたは黙ってお母さんが家事をする様子を見守った。黙っていても洗濯物は毎日洗濯したてを着ることができるし、部屋も綺麗だし、美味しいご飯も目の前に出てくる。何不自由しない毎日だ。さあ、夜も遅くなったから今日は寝よう。 [[→【1】へ行く|1]]
あなたは今すぐ鮭を食べたいなら、ここより上流に行けばいいだろ、と熊に伝えた。 「あっ……。そうか。お前、頭いいな」 そう言って熊は踵を返すと、上流へと登っていった。 少しは考えろよ、とあなたは呟きながら洗濯を再開した。一五分で終える予定だったが、一時間もかかってしまった。こう言う作業はあなたは実は苦手だった。 洗い終わった洗濯物を持ち帰り、物干しに干す。お母さんは「時間かかりすぎ!」と七歳の少年にはキツイ一言を宣うばかりだった。 [[→【1】へ行く|1]]
さて、熊との一騎打ち。かなりの猛者だ。相手にとって不足はない。 熊は鋭い牙であなたにかぶり付こうとする。あなたは身体を身軽に翻すと、熊はつんのめる。 初動に失敗した熊はなおも猛り狂い、猛突進してくる。あなたは自身の血潮が熱く煮えたぎるのを感じ、正面でがっしりと受け止める。 「馬鹿め。俺と力勝負するつもりか!」 あざ笑うように熊は息巻くと、身体の小さなあなたに全身全霊で襲いかかる! だが、あなたはびくともしなかった。両腕に力を込め、熊の巨体を軽々と持ち上げる! 高々と吊り上げたかと思うと、その場に叩き落として倒す。 吊り落としだ! 熊は想定外のあなたの攻撃に目を丸くする。ダメージを食らいつつも、そのこと以上にあなたの強さに驚いている。熊の闘争本能が理解したのだろう、自分ではあなたに勝てないと。 熊はしぶしぶ立ち去るが、「覚えていやがれ! 黒い熊さんはお前の敵じゃねえ!」 と、一目散に逃げていった。 あなたは何事もなかったかのように洗濯を再開し、家に帰る。 [[→【1】へ行く|1]]
あなたは力が強いとはいえ、相手は野生の熊だ。命にかかわるといけないから、あなたは熊に先を譲った。あなたは場所を変えて洗濯をすることにした。いい場所が見つかった……と作業を再開したが、そこは流れが急で、ふとしたはずみで洗濯物の多くを流してしまった! どんぶらこ、どんぶらこと下流へ果てしなく漂流する! 慌てて追いかけるもさんざんつかみそこね、ついには見失った。 洗濯物の八割を紛失し、とぼとぼ歩いて変えると、お母さんからは大目玉で、晩御飯にありつけなかった。 かわいそうな君! あなたはこのことがトラウマになって引きこもりするようになった。 残念だが、ゲームオーバーだ! [[→ 最初からやり直す|1]]
あなたは鉞で大木を倒し、薪割りを行う。こんなの、朝飯前だ。力仕事は楽しい。あなたの天職である。 すると、「だれだ? 俺達の森を荒らすのは?」と声がする。熊出没注意だ。 鬼熊 技量三〇 体力三〇 黒い熊 技量三〇 体力三〇 ヒグマ 技量三〇 体力三〇 いきなり三匹も現れた! さてあなたはどうする? 話し合いで解決 [[→【10】へ行く|10]] 戦いを挑む 鬼熊から戦う [[→【12】へ行く|12]] 黒い熊から戦う [[→【14】へ行く|14]] ヒグマから戦う [[→【13】へ行く|13]] 逃げる [[→【11】へ行く|11]]
平和的解決の話し合いがあなたと熊三匹きの間でなされた。結論は、熊は今あなたが切り倒した大木の薪の所有を認めること、あなたはこれ以上木を切り倒さないことで口約束の締結がなされた。 あなたは切りたての薪を担いで帰宅する。あなたのお母さんは「ちょっと少ないんじゃないの」と、小言を漏らすも満足げだ。 さあ、今日はお疲れだから一晩寝るといい。次の日の朝が来たよ [[→【1】へ行く|1]]
あなたは力強く言い放った。「この足柄山でこの金太郎を知らないとは! 多少の怪我は覚悟しろ!」 あなたは鬼熊に正面から左四つで組ついたかと思うと、豪快な右上手投げを決めた。鬼熊は地べたに投げつけられ、そのままうずくまった。 「うわあああ。これは敵わねえ!」他の熊たちは恐れをなし、脇目もふらずに逃げ出し、あなたの視界から消え去った。 あなたは薪割りを終え、何事もなかったかのように帰宅する。自らの手で仕入れた薪で沸かす風呂は最高だ。露天風呂で汗を流し、あなたは床につく。 次の朝が来た [[→【1】へ行く|1]]
あなたは敢えて、他の二匹の熊にはない、力量以外の強さを持った「黒い熊」に立ち向かった。そう、黒い熊にはカリスマ性があるのだ。 正面から組みあい、右四つでがっしりと熊の毛を握りしめる。相手も技に長けている。寄り切ろうと前へ出る。その隙を縫ってあなたは豪快に左下手を決める! 見事黒い熊は地べたに投げ飛ばされる。キョトンとして黒い熊は眼をぱちくりした。 「強いですね。あなたのような方には会ったことがありません! この『黒い熊』、感服しました。是非、家来にして下さい」 黒い熊はあなたの前にひざまつく。他の熊二匹も追ってひざまついた。 あなたは二つ返事で快諾する。あなたは出来立ての家来たちに薪を持たせ、自身も馬乗りにさせ、帰路に着く。お母さんを驚かせまいと、家の近くで熊たちとは「またな!」と言って別れる。 気分上々だったのに、お母さんには「いつまで山をほっつき歩いてたの! 怖い熊さんに襲われても知らないわよ!」 と大目玉を食らった。事実を述べるも「嘘おっしゃい! あんまり変なことほざいていると、晩飯抜きよ!」 と、理解を得られなかった。 やれやれだ。女は男をわかっちゃくれねえ [[→【15】へ行く|15]]
あなたは力強く言い放った。「この足柄山でこの金太郎を知らないとは! 多少の怪我は覚悟しろ!」 あなたはヒグマに正面からつっぱりを放ち、豪快に川へと突き落とした。ヒグマはダメージを受けてはいるが、無事川から上がると、あなたの力の強さに恐れおののいた。 「うわあああ。これは敵わねえ!」熊たちは恐れをなし、脇目もふらずに逃げ出し、あなたの視界から消え去った。 あなたは薪割りを終え、何事もなかったかのように帰宅する。自らの手で仕入れた薪で沸かす風呂は最高だ。露天風呂で汗を流し、あなたは床につく。 次の朝が来た [[→【1】へ行く|1]]
あなたはクマたちから一目散に逃げ惑う。鉞を持ち、山奥で足場も大変に悪いため、疾走しているうちにつんのめり、バランスを崩して斜面を転がり落ち、そばを流れていた川に落ちてしまった! あなたはそのまま河口まで流され、太平洋へと旅立ってしまった。 それじゃあ浦島太郎だ。残念だが、ゲームオーバーだ! [[最初からやり直す → 1|1]]
あなたが家で米を精米していると、鹿がやって来た。 「金太郎さん。ピクニックに行きましょうよ。今の季節、深緑の色合いと渓流の涼やかな流れは格別ですよ。自然の中で食べる山菜と魚もサイコーですよ」 ピクニックって言葉使うなよ……とのツッコミをあなたは飲み込みながら提案を受け入れた。 黒い熊を家来にして以來、森中の動物たちがあなたを慕っている。気は優しくて力持ちと人気者だ。あなたはお母さんにピクニックに行くと伝え、握り飯を持って出掛ける。途中熊たちとも合流し、鬼ごっこしたり、相撲をとって大勢の動物たちとの遠足を楽しんだ。 だが、行く手を阻むものがある。谷川の縁に辿り着いたのだが、橋が流されてしまっている! おにぎり以外、持参品はない。さてあなたは 鉞を熊に取ってきてもらう [[→【16】へ行く|16]] あとへ引き返す [[→【17】へ行く|17]] 素手で大木をもぎ取る [[→【18】へ行く|18]]
あなたはヒグマに鉞を取ってくるように指示した。ヒグマはあなた直々の任務とあって喜び勇んで家へ向かう。ところが、息を切らして戻ってきたヒグマの言葉は意外なものだった。 「金兄ィ、すいやせん。お母様が……お母様が!」 何と。ヒグマに襲われたと思ったお母さんがたまげて腰を抜かし、しばらく歩けなくなってしまったのだ。ピクニックを中止し、親孝行のあなたは看病に勤しむ。 ヒグマが涙ながらに詫びをするが、「お前は何も悪くないんだよ」とあなたはヒグマを宥めた。そうだ。普通熊が出てきたら、誰もが恐れおののく。不注意だった。 あなたの献身的な看病のお陰でしばらく日にちを重ねると、お母さんはまた無事に歩けるようになった。だがかなり間を開けたので、あなたのことを動物たちは忘れてしまった。だって動物だもん。 残念だが、ゲームオーバーだ! [[最初からやり直す → 1|1]]
あなたは引き返すことにした。 「怖気づいたんじゃねえですかい!」 茶色い熊だ。まったくこいつは隙あらばあなたに反抗してくる。「そんなの、俺達の『黒い熊さん』を打ち負かしたお人の言葉じゃねえ。ひょっとしたら偽物じゃねえですかい!」 馬鹿げだ言動だが、茶色い熊の言い分はインパクトを放ち、秩序が乱れた。 結果、ひねくれた輩はあなたの元を去り、勢力が二分し、派閥抗争へと発展した。 もう、物語どころではなくなった。 残念だが、ゲームオーバーだ! [[最初からやり直す → 1|1]]
「どうしやす? 引き返しやすか?」茶色い熊があなたの判断を仰ぐ。 あなたは、なあにいいよ、と一言言うとあたりを見渡す。丁度いい大きさの杉の木がそびえ立っている。あなたはがっしりとその大木の根本を掴み、思い切り二度三度押したかと思うと、見事川の上に倒した。 「物凄い力だ……!」回りにいた動物たちは唖然とした。ややあって、歓声が沸き起こる。 さて、楽しいピクニックの続きだ。らんらんらん♪と野原を駆け巡り。山菜や魚、美味しいおにぎりにかぶりついた。散在駆け巡り、疲れたあとは皆で一眠り。山の中を満喫した。 その様子を木の影から覗いていた者がいた事を、あなたは気づいていなかった。[[→【19】へ行く|19]]
楽しかったひとときを終えて家に帰り、お母さんに山中でのオモロイ話を聞かせてくつろいでいた時、齢二〇歳位の見知らぬ男が窓から首を出して現れた! 見知らぬ男 技量一〇〇 体力一五 「坊や。この私と相撲を取らないか?」 むむ、出来る。猛者としてのあなたの直感だ。恐らく五分五分だろう。あなたは「本当に私と相撲を取ってくれるのですか?」と尋ねると 「もちろんだよ」とその男は答えた。 さてあなたは 相撲を取る [[→【20】へ行く|20]] だが断る [[→【21】へ行く|21]]
あなたは表に出る。丁度その時、山猿が通りかかったので、行事を依頼した。山猿は名勝負が見れるとあって快く承諾し、「見合って見合って~」と煽り出す。 蹲踞の姿勢で互いに相手を睨み合い、片手を地につけ試合開始の合意を伺う。呼吸を整える。互いのもう片方の手が地についた。立ち上がりだ! 思い切りぶつかっていった。 ガシッ! ものすごい衝撃だ。未だかつてこれ程の強者との取り組みはなかった。強い。圧倒的だ。全身全霊を込めて前に出る。前へ出る。前へ……。いや、出ていない。互いに一歩も譲らぬ押し合いなのだ。 これは……。長い相撲になりそうだ。動けない。ありったけの力を振り絞っているのに微動だにしない。 永遠に時が刻まれるのかと思われた瞬間、見知らぬ男が一言 「強いな……。もう、やめにしよう」 そう言って力を抜いた。あなたもそれに合わせて相撲を中断した。気づけば体中汗を書き、肩で息をしている。無我夢中だったのだ。素晴らしい経験だと感じていた。 「不躾に失礼した。我は碓井貞光《うすいのさだみつ》と申す。ぜひ、そなたを侍として迎え入れたいのだが」 さてあなたは ありがたく受け入れる [[→【25】へ行く|25]] お母さんに相談する [[→【22】へ行く|22]] だが断る [[→【21】へ行く|21]]
もう、あなたは漫画とネットの見過ぎです。この場でそれを選んだら、ゲームオーバーだということ位わかるでしょ? また、[[一からやり直してくれ給え。|1]]
あなたは侍になれるということが嬉しくてスキップで小躍りしながら野山を駆けずり回った。その際動物たちに「都へ行って侍になる」と伝えて回った。やがて、森中の動物たちが集まり、自ずと送別会のような催しが開催された。 「金太郎さん、いなくなると寂しいっす」茶色い熊が目を潤わせていた。 「金太郎さんならすぐに大将になれますよ」鹿が名残惜しそうに話した。 「たまには足柄山にも遊びに来てくださいね」山猿が泣きながらそう伝えた。 「ここは任せて下さい。もし手助けが必要でしたら、いつでも連絡下さい」黒い熊が力強くあなたを見送った。 あなたは動物たち一匹ずつに声をかけ、最後にお母さんを見て「では、行ってまいります」と挨拶をすると、碓井貞光に連れられて都へと旅立っていった。 [[→【26】へ行く|26]]
あなたは「お母さんに相談します」と伝え、家に戻って碓井氏からスカウトされていることを話した。あなたとしては侍になるという願望があり、ぜひ受けてみたいと伝えた。だがお母さんは 「金太郎。でも学問が大切ではないですか。いい大学に入って、大企業に入ること。それがジャパニーズ・ドリームですよ」 物語が破綻しそうな展開だがあなたは 言いつけを守る [[→【23】へ行く|23]] 反抗する [[→【24】へ行く|24]]
あなたには侍になりたいと言う願望はあったが、母の言うとおり、就職が気になったので丁寧にスカウトを断った。あなたは山奥で勉学に励み、一流大学に入学した。そして第一志望の企業に就職することが出来た。 おめでとう! でも肝心の『金太郎の結末』は分からずじまいだ。気になるならもう一度ぜひプレイしてくれたまえ。 一応ゲームオーバーだ!(ベストエンドではありません) [[最初からやり直す → 1|1]]
あなたは物心ついて初めてお母さんの意見に反対し、自分のやりたいことを伝えた。お母さんは意外にも、優しい微笑みであなたを見つめていた。 「わかりましたよ、金太郎。一度碓井様を家にご案内なさい」 意外な返答にあなたは拍子抜けをし、碓井氏を家に招き入れた。 お母さんは大層喜んで碓井氏に話し始めた。 「この子の父は亡くなりましたが、坂田と言う氏の、それは立派な侍でございました。やはり、血は争えませんね。この子も侍になることが一番幸せなのでございましょう。山奥でひっそりと暮らしておりましたが、こんなところまでわざわざお迎えに来て頂き、本当に感謝しております。ご覧のとおり腕白者ですが、どうぞよろしくお願いいたします」 そう言って深々と頭を下げた。あなたは驚き、そしてお母さんに感謝した。自分のやりたいことがやれる。これ以上幸せなことがあるだろうか。いやない。 [[→【25】へ行く|25]]
都へとたどり着いた。そこには碓井貞光の主君、日本では名高い名将、源頼光《みなもとのらいこう》があなたを待っていた。あなたは城にたどり着くと、広間で座り、お辞儀をしていた。 主君の御成だ。 「頼光様。大変に有望な少年を連れてまいりました。相撲では既に私めと互角に渡り合えます」 「何と! 貞光。それは誠か」 「はは。名は金太郎と申します。父方は昔、坂田と名乗る侍だったそうです」 「どれどれ、苦しうない。面を上げい」 あなたは顔を上げ、頼光氏を見上げた。 「ほほう。凛々しい、たくましい面構えだ。幼いとはいえ、もう立派にそなたは漢じゃの。よいよい、許す。そのほう、これより坂田金時《さかたのきんとき》と名乗るが良い」 これであなたも立派なお侍さんだ 「ありがとうございます!」心が踊った。 これで金太郎の物語は終わりだ。立派な侍になるところで物語は終幕する。 でも、この冒険はまだ少し続く。[[→【27】へ行く|27]]
十年後……。あなたは立派な若者に成長した。侍として勇敢に戦う毎日だ。 「これ、坂田金時」 「はい、殿。何でしょう」 「急な展開じゃが、これより先は作者の創作じゃ。どんな試練が待ち受けているか、皆目検討もつかぬ。心して臨むのじゃぞ」 「は、はい……。と、申しますと?」 「うむ。実は近頃都で流行るもの、妖怪土蜘蛛が猛威を振るっておる。」 「妖怪土蜘蛛……」 「左様。蜘蛛のバケモノじゃ。十年ほど前に猛威をふるい、しばらく消息を断っておったが、最近になって再び現れるようになった。これまでに多くの町民が犠牲になっておる。わしも躍起になってやつを追い、戦を仕掛けておるのじゃが、相当の曲者で、未だ倒せておらぬ。お主も一八歳じゃ。ぜひともきゃつを成敗してもらいとうての」 「御意に」 あなたは頼光より情報を受け、妖怪土蜘蛛の現れる場所を聞いた。これまでは丑三つ時に、城から北西十キロ程度のところに頻繁に出没するらしい。 その時刻に馳せ参じると、いたぞいたぞ。物凄い大きな蜘蛛の化け物だ。 妖怪土蜘蛛 技量二〇〇 体力一〇〇 さてあなたは 剣を抜いて戦う [[→【29】へ行く|29]] 森の動物を召喚する [[→【30】へ行く|30]] あるいは、数字を覚えておくように指示されていたのなら、その数字に二〇を加えた番号のパラグラフに進んでも良い。<<if $hachi ==1 >>[[→【28】へ行く|28]]<<endif>>
あなたは剣術において右に並ぶ者はなかった。鞘から抜いて構え、ジリジリと間合いを詰める。すると突然、土蜘蛛から粘着糸を吹きつけられた! がんじがらめになって身動きがとれない! まるで蜘蛛の巣に捕まった昆虫のようだ。あなたは土蜘蛛に……。 これ以上先は聞かないほうがいいだろう。残念。ゲームオーバーだ! [[最初からやり直す → 1|1]]
あなたは森の動物達を呼んだ。彼らは勇敢であり、今でもあなたに忠誠を誓う素晴らしい仲間だ。だが、足柄山からここまでは遠い。都って今で言う京都だ。彼らが辿り着く前にあなたはやられてしまった。 残念。ゲームオーバーだ! [[最初からやり直す → 1|1]]
土蜘蛛と聞いて、あなたは幼いころの記憶を思い出していた。そうだ、奴は蜂に弱い! そう記事に書いてあった。あなたはこの場に来る前に、養蜂場を営む農家さんを助っ人に連れてきていた。 「頼んます!」 あなたが指示を出すと、養蜂農家は頷き、大きな巣箱から蜂を羽ばたかせた。何匹も何匹も。千匹位いるかもしれない。 やがて土蜘蛛に蜂の大群は襲いかかり、為す術もなく土蜘蛛は、その場に息絶えた。 仕事を終えた蜂は巣箱へと戻っていく。良かった。本当に良かった。都にも平和が戻ることだろう。 ここまで読み進めてくださいまして、ありがとうございました。これでハッピーエンドです!
童話ゲームブックです! 誰もが知る金太郎。でもそのストーリーを知る人は少ない。この冒険を通じ、その内容が多少理解できる上、ゲームも楽しめるという一石二鳥(?)の短編読み物。 むかしむかし、足柄山の山奥に、ある一軒の家がありました。そこで金太郎と言う男の子がお母さんと一緒に暮らしておりました。あなたは金太郎となって冒険を進めて下さい。 <<set $hachi =0 >> [[始める → 1|1]]