はいこんにちは。
ゲームブック投稿サイトGameBook.xyzを運営している者です。
今回はゲームブックではなくノベルゲーム(サウンドノベル)のネタです。
ゲームブックと(ノベルゲーム)サウンドノベルは似ていますが異なります。その違いは(筆者の独自見解ですが)こちらをどうぞ。
筆者はノベルゲーム(サウンドノベル)はこれしかプレイしたことがありません。
なので今回、ノベルゲーム(サウンドノベル)の往年の名作、「かまいたちの夜」をiOS版でプレイすることにしました。
登場人物ほとんど死亡と言うバッドエンドを迎えた事を機にレビューを書いてみたいと思います。(どんな機だよ? いえいえ、キチンとハッピーエンドも迎えました)
※尚、「サウンドノベル」は「かまいたちの夜」を制作したソフトメーカー、スパイク・チュンソフトの登録商標で、他社ノベルゲームをサウンドノベルと呼ぶことは、接着剤の事をコニシ(株)の「ボンド」と呼ぶようなモンです。以下用語をノベルゲームに統一して書き進めます。
2015年9月6日までセール特価のようですよ。
この記事を見るのがその前なら某予備校先生の流行語を思い出して下さい。
筆者はノベルゲームの事はよく知らないのですが 、多分この作品はゲームブックなら火吹山の魔法使いくらいの名作なんでしょうね。
タイトル画面はこんな感じです。
迫力ありますね。リアルな風景を写真撮影し、加工を施してあるようです。
さらにプレイスタートするとBGMが流れるんですね。
このBGMが女性の「ハァーアアアア」と言うスキャットと言うかヴォカリーズみたいな歌詞のない歌声が入っているんですけど、微妙に音程をずらしているような歌唱で、音痴とかそう言う類ではなく、楽器と併せてなかなか恐怖を感じるような歌い方なんですよ。
すごい演出です。こんな怖い歌い方があるものかと関心しましたね。
何というのか、ノベルゲームとは人間の視聴覚に物語の世界観を最大限に感じさせるように小説を進化させたものと言えるのではないかと思いました。
映画とかとも違いますね。没頭感が半端無いんですよね。
ゲームを始めると主人公とその意中の女性の名前を決めることが出来ます。
RPGなどでよくあるようにプレイデータは4種類まで保存出来ます。
これによっていろいろな楽しみ方が出来ますね。
一人で試行錯誤するためにあらゆるところで保存してもいいし、仲間内でそれぞれ楽しんでもいいですね。
画面はこんな感じで背景の上にテキストが重なり、小説を読むように上にスワイプして物語を進めます。
ところでスマホ版にはシルエットはありません。
レビューでは「かまいたちの夜といえばシルエット(人影)だ! ないのは残念!」と言う意見が続出してます。
シルエットとは、これです。
株式会社スパイク・チュンソフト | スマホ&ケータイ | かまいたちの夜より
この半透明な紫色の登場人物の影絵がより物語の演出に効果を発揮していました。
なんとも言えない恐怖感がありますよね。
筆者は購入前からこのことを知って、やったことのない自分も「残念だなあ」と思っていましたが、プレイしてみるとあんまり気になりませんね。
多分シルエットが出るとスマホの小さい画面ではウザいと開発サイドで判断して取り払ったのだろうと思います。
でもノベルゲームでは演出って重要ですからユーザーがON・OFFを選べるようにできたらもっと良かったでしょうね。
あと、テキストは一気に表示されるんですよ。
この手のゲームにありがちな、文字が1つずつ表示されるという演出はありません。
「音楽や音響とのタイミングがズレる! 感情移入できん!」と言うようなレビューもあり、「ああなるほど。そういう意見もあるんだね」と思いましたね。
筆者はパラグラフ単位で文字が一気に表示される現状の方がやりやすいし、特に音楽や音響とのタイミング云々は動画じゃあるまいしそこまで不要と思うのですけど、ユーザーの好みで選べるようにした方が良いんじゃないかなあと思います。
そして物語を読み進めていくとしばしば選択肢を迫られます。
右上に「BRANCH」と表示され、分岐があることを明示してあります。
文体も主人公が口語体で返すような感じで、この辺りも小説=ノベルと言うところが強いですね。
これはゲームブック以上に小説感が強いのではないでしょうかね。
一概にいえませんけどゲームブックは「あなた」や「君」を主人公にして「どうする?」と言う口調が多いので、言い回しの違いは興味深いですね。
また、選択肢を選んだ後でも下にスワイプすると分岐まで戻って別の選択肢を選ぶことも可能なんですよね。
「やばい」と思ったら分岐まで戻ってやり直す、と言うプレイ方法が可能ですね。
ゲームオーバーにならないかぎりは大丈夫そうですよ。
そういうインターフェースは個人的には好きですね。
ユーザーに委ねられている所が良いんです。
以下、残酷な写真が掲載されています。
ああ……。見たくないものを見てしまった。
次々にペンションの客が亡くなっていく……。
犯人は一体誰だ?
この主人公の手に汗握る焦燥感、たゆまぬ推理に釘付けですね。
本当に文章、画像、BGM、それらを絶妙につなぎ合わせる演出でまるで映画の主人公にでもなったかのような没頭感です。
大人気になったことも頷けますね。
セーブは自動でしてくれるみたいで、筆者はプレイの合間に画面を閉じたりしましたが、まず問題なく(?)バッドエンドまで読み進めることが出来ました。
その後二度程プレイし、誰も新たに犠牲者を出すことなくハッピーエンドを迎えることが出来ました。
正直に言うと、筆者は推理力があったのではなくて、「自分でゲーム作るんならこう言う展開が面白いだろうな」と思ってあることをしたんです。
そしたらドンピシャだった。ただそれだけです。(^_^;)
ゲームクリアしたら凄いですね。
別のシナリオをプレイできるようになるんですよ。
何度か選択肢を変えて読み進めるうちに、展開がものすごく変わり、物語の深さにただただ感心するばかりでした。
犯人が結構リアルに行動をとっていて、主人公の行動が変わると犯人の行動も変えていると言うような演出があって世界観やゲーム性の高さが物凄いんです。
そのため選択肢を敢えて変えて読めばバッドエンドは迎えるんですけどどんどん真実に近づける様になっています。
アドベンチャーゲームの理想形ですね。
筆者はノベルゲームはゲーム性より物語性重視かと思っていたのですが、この作品を読み進める限りはそんな事はないと思い直しましたね。
個人的には文字の表記やシルエットは気にならなかったので、レビュー評価は文句なく5です。
もちろん往年の「かまいたちの夜」をプレイして、その時の感動を再び味わいたいという人には残念と言うのもわかります。
難しいですね。スマホ用に最適化したと言えばそうだとも思いますし。
でも指摘したようにユーザーが選べるようにできたらより良かったでしょうね。
小説がコンピュータによってここまで進化したのですから、ゲームブックもIT化によってもっと進化して良いはずです。
そうなんですよね。筆者の頭の中では思い描いているんですけど、スキル不足で自分一人では解決できないかもしれません。
実際「かまいたちの夜」のスタッフロールをみて、これだけ多くの方が制作に携わっているのだから、ゲームブックもチームでとりかかっても良いかなあと思います。
以上、北海道からでした!