電子書籍で出版しても売れないからやめておく。 確かにそういう選択肢もあるけれど……。
こんにちは。ゲームブック投稿サイトを運営している者です。
筆者は電子書籍版のゲームブックを二作発行していますが
無論出すだけでは売れません。
ちきりんさんによると
本を売るためには4要素が必要になると説いています。
具体的にそれらが何なのかはちきりんさんのエントリをご覧頂くとして、個人出版の場合はこれ全てを一人でやる必要があるわけです。
ちきりんさんの様に著名な影響力のあるブロガーなら上記4要素のうち3つを達成できます。
でも多くの人はなかなか全てをあるレベルまで達成させることは容易ではありません。
どれも中途半端だと、コレまた売れないのです。
埋もれている作品は多い
世の中、投稿サイトは「小説家になろう」を始めとして多数あります。なんと100以上もあるんです。
当然日々作品を書き続ける作家さんが無数に存在し、コンテスト開催もかなりの頻度で行われることとなります。
コンテストで上位に選ばれた作品は出版社の目に止まり、出版社からの作品として世にリリースされます。
それらの作品はかなりの確率でベストセラーになることでしょう。
また仮に上位に選ばれなくとも、出版社側から「ぜひうちから出版させて欲しい」と声がかかる作品というものも存在します。
無論出版社から発売されたからといって、ベストセラーになるとは限りません。
でも個人一人で上記4要素を満たさなければいけないわけではなく、出版社側で(上手く行けば)2要素をカバーしてくれるので、売れる可能性はずっと高まります。
そのチャンスを敢えて手放す方って結構いるんです。
売れる可能性をとっておきたい
何名かですけど、「落選したけど出版社から声がかかった」と言う方を知っています。
筆者のネット上でのちょっとした知り合いで数名ということは、出版社から声がかかった方は相当数にのぼるはずです。
筆者からしてみればチャンスなんだから出版をお願いしたらいいと、余計なおせっかいを焼いてしまった過去もあります。
無論作品が売れたとしても筆者にはメリットがありません。
そればかりか万一売れなかったら「やってみたけど売れなかった。版権も手放した。作品が多くの人の目から遠ざかった」との非難を背負うリスクすら負います。
つまりハイリスクノーリターンなんですけどね。それでも出版を勧めました。
多分これだろうと思うから。
↑この書籍に掲載されている例に則って言うと、
自分の作品が出版社からリリースされて売れて欲しいけど、売れないかもしれない。リリースしたらもう二度と取り返しがつかない。だから出版を夢見ている方がいい
と言うような心理が働いているのかなあと推察します。
何も変わらない現状のほうが、当事者にしてみれば夢を見たままでいられるから、つらい現実をつきつけられるよりいいと。
ゲームオーバーを選択している
時間に限りがないならそれもいいでしょう。でも誰もが寿命は有限なんですけどね。
「勇気」がないんですね。「例え売れなくてもまたやり直せばいい」と言うね。
はっきり結果を出したほうが「なぜ売れなかったんだろう」と言う反省も踏まえて次作はより良いものを編み出せるとも思いますが、それを敢えてしない。
そうしているうちにゲームオーバーになるんです。
(ゲームブック的に言えば毎度のように「14へ行け」を選んでいるんです。運試しが出来る環境にも関わらずそれもせずに。)
セカチューをご存知?
今から10年以上前のことですから、ご存じない方も多いかと思いますが、こんな純愛小説がベストセラーとなりました。
ミリオンヒットになり、映画化もされたこの作品ですが、当初はわずか8,000部の発行でした。
ところがWikipediaによると
2001年初版刊行。初版8000部と発売当初はさほど話題にならなかったが、小学館の新入社員だった営業マン[2]の目に留まり、彼が売り込んだことから、一部の書店販売員らの手書きのPOP広告と口コミにより、徐々に話題になっていった。
営業マンが売り込んだおかげで広がったんですね。
可能性なんてやってみなければわからないものなんです。
厚切りジェイソンも売れたでしょ
今やお茶の間のみなさまもご存知の厚切りジェイソンさん。
彼は芸歴1年にもかかわらずここまで売れる芸人さんとなりました。
IT企業の役員である彼が芸人への切符を手にしたのも最初はザブングル加藤さんと知り合いになりたいと思って(半ば無理やり)名刺を手渡したから。
そして互いに飲みに行く関係となり、芸人になりたいという想いを加藤さんに訴え、「芸人スクールへ行ったらいい」とアドバイスを貰えました。
スクールでは漫才コンビを4回も相方を変え、結局ピン芸人にならざるをえないと言う辛酸も舐めた過去もあります。
ウケないことも無論あった。でもお笑いが好きだった。
彼が元から持っているマーケティング力と戦略で「自分は成長したい」とのめり込むうちにいつの間にか売れていた。
売れる人はそこが違うんですね。ウケなくても落ち込まない。次に何をするかという勇気がある。実行力がある。
まとめ
ゲームでは簡単に物事が運んだら面白くありません。
スーパーマリオも落っこちたら死ぬスリル満点のアスレチックコースを、様々な敵を乗り越えてピーチ姫を救い出すと言うミッションをクリアするからこそ面白いんです。
人生も一緒ですよ。
厚切りジェイソンはこうも言っています。
「挫折」は日本の独特な考え方かと。失敗恐れすぎる日本文化で「したら終わり」という意味も込めているから。 僕も上手くいかない時もあるよ。ただ「挫折」だと思っていない。その後はどうするかを考えさせるきっかけに過ぎない。それで終わらなければ挫折ではなく、展開だからな。
— 厚切りジェイソン@書籍発売 (@atsugirijason) 2015, 12月 6
出来ないのではなく、やらないという選択肢を選んでいるに過ぎないんです。
だから筆者も売れない電子書籍を出し続けるんです。
以上、北海道からでした。