荒木飛呂彦先生の著書を読破。漫画における長期連載の難しさを思い、作者へのリスペクトを禁じ得ない
こんにちは。ゲームブック投稿サイトを運営している者です。
筆者のハンドルネームは代々木丈太郎。
代々木は置いとくとして、丈太郎と言うのはもちろんこちらの影響です。
スタチューレジェンド 「ジョジョの奇妙な冒険」第三部 14. 空条承太郎 [原型・彩色監修/荒木飛呂彦] (再生産)
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最近は読んでおりませんが、6部までは読破しました。
数あるシリーズの中でも空条承太郎は主人公の主人公と言う気がします。
↑このように「オールスターバトル」では、歴代ジョジョの登場人物の中でも扱いは別格。よく見ると承太郎の学生服に他の主人公が柄のように取り込まれています。
アイドルグループで言えば承太郎の立ち位置は無論センター。
絶頂期の前田敦子か、サザエさん家のサザエかと言ったところですが、これをご覧いただけますか。
↑3年2ヶ月ほど前に出版されたジョジョムック。
これ、誰だと思います? 服装から承太郎と推察されますが、とにかく明るい安村さんみたいな格好だったら判断できないのではないでしょうか……。
目次
承太郎とは?
他のジョジョファンや荒木飛呂彦先生に大変失礼と思いつつ、自分もジョジョファン、とりわけ第三部、空条承太郎に心酔しているので敢えて指摘します。
この人物は承太郎には見えません。
どちらかと言えば第8部のキャラ、東方定助に近いのじゃないでしょうか?
筆者の推察ですが、恐らく荒木飛呂彦先生は、もう承太郎を描けないんじゃないのかなあとさえ思います。
だって、承太郎ってこれだもん。
ジョジョの奇妙な冒険 第3部 カラー版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
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承太郎のモデルはクリント・イーストウッドだと言うのは有名な話ですが、彼は黙って立っているだけで様になる人物なのです。
祖父や母のような明るいキャラとは打って変わって沈着冷静で寡黙。
だが切れやすく感情を露わにする事も多いですが、内面に自己犠牲を払ってでも人を助ける優しさを持ち合わせています。 (で、その事を母ホリィが理解しているという描写があり、大変に微笑ましいですよ)
それが端的に現れているのが単行本13巻の表紙だと思います。どこかしら久保田利伸の曲が流れてきそうな雰囲気ですよね。(四部の仗助は完全にプリンスですよね)
これに比べて先ほどのJOJOmenonの表紙のイラストは力強さも優しさも感じられないんですよ。少なくとも立っているだけで存在感があるというクリント・イーストウッドの面影はどこにもありません。
正直JOJOmenonは出版当時欲しかったんですけど、イラストに幻滅して手に取ることを躊躇い、買うことはありませんでした。
ショックですよね
大変な失礼なことを書いて申し訳ないとは思います。
でもジョジョファンだからこそ事実を捻じ曲げてはいけないと思うのです。
承太郎じゃないものは承太郎じゃない。ただそれだけのシンプルな話です。
多分承太郎を再現するにはセンスや技術のあるイラストレーターや漫画家が描く方がより自然に仕上がると思います。
例えば、漫画ではこんな作品もありますよね?
↑これは下記作品のパロディを他の漫画家さんが描いたものです。
こちらの表紙の左側の人物を描いた物語ですが、絵柄が非常に似ています。
更には話の内容も本当に原作に忠実で、かつ原作では決して見られない滑稽なさまをあますところなく伝えており、展開の仕方も本当に福本先生御本人がネームを書いているんじゃないか? と思えるほどのクオリティなのです。
筆者の考える承太郎復活は、上記のように技量のある方が代わりに作画することです。
荒木飛呂彦先生だけではない
漫画では長期連載に伴い、絵柄がどんどん変わっていくのが普通です。
とりわけ少女漫画で長期連載は非常に珍しいらしく、パタリロが95巻を数えます。
で、恐らく漫画界全体で一番の長期連載なのはゴルゴ13。
どちらも絵柄は初期の頃と比べて変わっています。
ただ、ゴルゴ13はそんなに違和感を感じません。特徴のある面構してますからね。カミソリのような死んだ魚のような目に太い眉毛で無表情。
それに比べパタリロは凄い変わりようです。
ジョジョも例外ではないということです。
意図的に絵柄を変えている
筆者はもちろん荒木飛呂彦先生を尊敬しているので、こちらの書籍は買いました。
↑こちらの書籍でわかったのですが、敢えて荒木先生は自らの絵柄を変えたのです。
同じ絵ばかり描いていたら時代遅れになる
と言う危機感から、意図的に時流に合わせた絵柄を書くように努めたそうです。
少年ジャンプという絶大な人気雑誌で連載を続けるということが、どれほど身を削る大変なことかを伺わせる内容ですね。
ただ、その結果昔の絵柄といえる「承太郎」は荒木先生ご自身も描くのが難しくなったのではないかなあと言うのが筆者の推論です。
まとめ
失うものもありましたが、それにより得たものが今でも続くジョジョシリーズです。
奇しくも、ジョジョは続いているけど主人公は交代すると言う点で、常に新しい絵柄と内容で連載が可能という人類の進化にもマッチしているかのような斬新な連載方法。
「さすが荒木先生!」
「おれたちにできない事を平然とやってのけるッ そこにシビれる!あこがれるゥ!」
以上、北海道からでした。