代々木丈太郎の何だか良く判らないブログ

主にゲームブックについて語ります。他、北海道ネタ、ホリエモン、雑談など

Wikipediaで海外ゲームブック事情を読み取ってみますよ。日本も意外な事で知られています。

こんにちは。ゲームブック投稿サイトの管理者です。

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ゲームブック復興に向けて、海外の情報があれば日本市場でも参考になるのかなと最近ではいろいろ閲覧しています。

英検2級レベルの筆者といえど、それなりに英語の情報は(ある程度)わかります。

そして以前は何語かもわからないような情報はお手上げでしたが……。

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GoogleChromeであれば、翻訳してくれるではありませんか!

まあ勿論まだまだ意味の通じない文章で変換されることが多いですが、朧げながらの情報収集であれば可能じゃないですか。

そこで、Wikipediaで「ゲームブック」の項目を見ますと、

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はい。このように日本語の他に21カ国での表記があるんですね。

それぞれ見てみることにしました。

目次

言語は下記の通りです。

Български

Книга-игра — Уикипедия

何語なんですかね? 恐らくブルガリア語かなあと推察しています。

この国では 

  • Choose Your Own Adventure(以下CYOA)
  • Fighting Fantasy(以下FF)
  • The Way Of The Tiger(以下TWOTT)

 が翻訳されたようです。

項目の中で「ブルガリアの本ゲームのリバイバル」とあるので、恐らく日本同様オワコンになっちゃったんでしょうねえ。

2011年3月、2012年12月、2013年に復刻版が出されたというような記述があります。

それ以降はどうなのかが気になるところです。

Brezhoneg

Levr-c'hoari - Wikipedia

このページはなぜかChrome先生も翻訳の表示をしてくれないんですね。

恐らくゲームブックと思われる作品のリストがあるだけです。

次行きましょう、次!

Čeština

https://cs.wikipedia.org/wiki/Gamebook

これもどこの国か、なんという言語かよくわからないですね。

翻訳モードにはなるのですが簡単なゲームブックの説明と、英語で出版されたゲームブック作品のリストや、作家さんのリストがある程度です。

Deutsch

 Spielbuch – Wikipedia

デンマークですかね?
1980年に最も人気がありました、と過去形です。

1981年の火吹山は1500万回発売、とGoogle先生は翻訳してくれました。

D&Dやローンウルフの記述もあります。

CYOAやシャーロック・ホームズのゲームブックにも言及してます。

あと恐らくデンマークで生まれた作品、「ヴォルフガング・クレイマーゲームブック」についても触れています。

そして「1000年の冒険の世界シリーズ」は2014年にもリリースされているそうです。

ここは比較的最近でもゲームブックがそれなりにリリースされているようですね。

English

Gamebook - Wikipedia, the free encyclopedia

はい。英語ですね。

1990年代に生産が大幅に減少したとありますね。

うーん。英語圏Wikipediaではゲームブック復活に向けての具体的なアクションが見受けられないです……。

で、Kickstarterとかだと、オーストラリアのティンマンゲームズが火吹山をPCゲームで開発したり、アメリカの会社がLone Wolf(以下LF)の豪華本を出版したり、TWOTTの豪華本を出したり、と言う流れはありますね。

あと別のストリームはLifeline。ゲームブックアプリのリリースです。

これが日本と中国のAppStoreで2015年の有料部門で1位だったそうです。

筆者はやはり、これが今後のメインストリームになるだろうな、と踏んでいます。

Esperanto

Ludolibro - Vikipedio

ゲームブックの例が提示されているだけで、情報はほとんどありませんね。

Español

Libro juego - Wikipedia, la enciclopedia libre

CYOA……「きみならどうする?」についての記述がある程度。

Suomi

Pelikirja – Wikipedia

フィンランドですかね?

ゲームブックに関する短い説明があるのみです。

そこでも火吹山が例として上がっていますから、火吹山強しですね。

Français

Livre-jeu — Wikipédia

フランス語ですね。情報量はまあまああります。

ゲームブックの成功例として

  • 火吹山の魔法使いなどFFシリーズ
  • LFシリーズ
  • ブレナンのGrail Quest(以下GQ)シリーズ
  • TWOTTシリーズ
  • シャーロック・ホームズシリーズ

が揚げられています。

それらが1990年台に失速したと書かれています。

そして2000年代以降は復活の始まりだそうで……。

記事の大半を割いて作品を表にして説明しています。恐らくフランス国内の作品もあるのでしょう。

どれがフランス発なのかは不明です。

でもせっかくこれだけ作品があるのですから、ヒット作を日本語訳にして日本でリリースしてみるという取り組みもまた面白いかもしれないですね。

עברית

ספר משחק – ויקיפדיה

何語か分かりませんが、ビックリしました。

右寄せの文章なので、一瞬画面が逆さまになったのかと思ったほどでした。

ヘブライ語ですか? どこの国なんでしょうね。

CYOAや火吹山などFFの事が書かれています。

ロールプレイングゲームとしての認識が強いみたいです。

Magyar

Lapozgatós játékkönyv – Wikipédia

ハンガリーですかね。

ここでもゲームブックはロールプレイングゲームの一種と言う扱いです。

スティーブ・ジャクソンやイアン・リビングストンが出てきます。

ファイティング・ファンタジーは認知度が高いですね。

Italiano

Librogame - Wikipedia

イタリアですか?

80年台に人気があったとのことです。

意外にも真っ先にTunnels & Trolls(以下TT)やLFに言及されています。

ブラッドソードにも触れているのが他国と一番違う点です。

歴にについては1940年からあり、50年代終わりには複数の選択肢から選んで読み進めるというモデルが登場しているようです。

で、やっぱりスティーブ・ジャクソンとイアン・リビングストンが出てきます。

イタリアでは1970年台からゲームブックの人気が始まっていたようです。

そしてCYOAが出てきたと言っています。

80年代が人気のピークでTT、Dungeons & Dragons(以下DD)がリリースされ、火吹山が1500万部売れたとか、世界中で人気となったとあります。

で、90年代以降は人気を失ったと記述があります。

その原因はユーザーが手動でバトルやメモをしなくてはならないこと、ビデオゲームの普及を原因に挙げています。

90年代後半に復活の動きが出始め、2005年にモンゴメリーと言う人が様々な模索を進めているようです。

イタリアの記事ですが、ブルガリアはゲームブックの人気が高かったように記述されていますね。

ハンガリーとかロシアもそうだと書かれています。かつての東側諸国は娯楽が少なかったからでしょうか。

なお、ゲームブックがビデオゲームにある程度影響を与えたとも伝えています。

한국어

게임북 - 위키백과, 우리 모두의 백과사전

うーん。韓国では2行の記述があるだけですよ。

悲しい。

Bahasa Melayu

Permainan buku - Wikipedia Bahasa Melayu, ensiklopedia bebas

ここも情報が少なく、ゲームブックはCYOAであるとか、人気があったのは80年代と書かれています。

その割にはビジュアルノベルへリンクがありました。

ビジュアルノベルがゲームブック以上に認知されているのは凄いですね。

実際この言語でのビジュアルノベルの記事は概要が分かる程度には書かれていましたよ。

Polski

Gra paragrafowa – Wikipedia, wolna encyklopedia

これはポーランドみたいですね。

やはりFFが説明の例に揚げられています。

ポーランドの業務用ゲームブックは多くの場合電子フォーマットで提供されているようです。
docやPDF、EPUBやMOBIなどの電子書籍フォーマットもあるそうです。

歴史は1960年頃から始まり、実験的な作品が徐々に出始めたとあります。

本格的なものは60年後半以降、そして70年台に入りTTやCYOAが生まれたとあります。CYOAは900万部リリースされたとあります。(多分世界中で、という意味)

ポーランドでもそれなりに売れたようですね。

ここでもビジュアルノベルのリンクがありました。

ビジュアルノベル強し!

Português

Livro-jogo – Wikipédia, a enciclopédia livre

ブラジルかな?

火吹山が例に揚げられています。

TRPGが一人でも遊べるようになったもの、と言う記述がありますね。ソロ冒険と言い換えられています。

作品の例はスティーブ・ジャクソンとイアン・リビングストンのがいくつかリストされています。

Русский

Книга-игра — Википедия

ロシア語ですかね?

ここではアルゼンチンの作家が1940年頃にプロトタイプを作った、とあります。

多国語の記事も呼んでいますが、ゲームブックの起源としてはそれが一番古いみたいです。

普及機は1970年から現在まで。

英語圏の国で72年に「スパイ」と言う作品が流行りだしたとあります。

79年にバンタムからCYOAがリリース。

あとジョームズボンドの「私の運命を探す」があったといっています。

ロールプレイングのソロブックという扱いでTTが出ています。

DDやクトゥルフの記述もあります。

今日でもソロロールプレイングゲームは公開されて続けているとしています。

それとは別に、アドベンチャーゲームブックとして扱われているのがFF。

世界各国に広まり人気があると述べており、影響力の強さを物語っています。

また、名前が載っていないんですがブルガリアの著者も凄かったそうですね。

そして一部の企業はモバイルプラットフォームの様々な書籍・ゲームを復活しようとしているそうです。

ロシアで制作されたゲームブックの紹介もありますよ。

さすがAXMA Story Makerを開発したお国柄だけあって、ゲームブックは結構人気があったようですね。

Simple English

Gamebook - Simple English Wikipedia, the free encyclopedia

簡易英語? そう言う項目もあるのですね。

ゲームブックとは何かの記述と、例としてはCYOA、FF、LWが載っています。

Svenska

Soloäventyr – Wikipedia

うーん。何語かわからない。

ソロ・アドベンチャーと示されています。

RPGとしての扱いで、一人で遊べるRPGとの事です。

WWWがハイパーリンクでソロアドボベンチャーを出版するのに適しているとあります。
最も有名なのはFFのイアン・リビングストン、スティーブ・ジャクソンとあります。1500万部売れたそうです。

一覧では

  • CYOA
  • LF
  • FF
  • TWOTT

があります。

Українська

Книга-гра — Вікіпедія

ウクライナかな?

歴史解説で1941年にホルヘ・ルイス・ボルヘスが最初の本のアイデアと提案したとあります。

それが元になってフランスで1960年頃に文学グループで研究された様です。

1970年にイギリスでインタラクティブな冒険スパイで72年から80年にシリーズを出したと記述があります。

ソ連崩壊の影響で、ブームは90年に始まり、2000年台に落ちたようです。

80年代はあまり自由な情報のやりとりや商売が出来なかったんでしょうかね。

当時ゲームブックは殆どロシアの作品だったそうです。

今ウクライナとロシアは揉めてますからね。そう言う時代背景や国との関係も影響する説いう例でしょうね。

中文

最後中国です。

游戏书 - 维基百科,自由的百科全书

翻訳すると丁寧な文体と文字フォントなのでなんか嬉しいです。

ゲームブックに関する解説と有名なゲームブックシリーズの紹介にとどまっています。

  • CYOA
  • Give Yourself Goosebumps
  • FF
  • LF

まとめ

以上をまとめると、

  • ゲームブックは1940年に原案が出され50年にフランスで研究され、60年、70年に具体的に作品が出された。
  • スティーブ・ジャクソン、イアン・リビングストンのFFが一番のメインストリーム。(めちゃくちゃ偉大)
  • 追随しているのがTT、DD、LW、TWOTT、そして日本のビジュアルノベル!
  • 西欧では80年にピーク90年代に衰退、東欧ではソ連崩壊のためタイムラグが有り、90年代にピーク、2000年台に衰退。
  • 衰退原因はユーザーの手間がかかり、コンシューマーゲーム機の台頭で、ゲーム機の方がエンタメ性が高いため。
  • そして各国で復活の様々な取り組みが行われている。

そんな感じでしょうか。

どっか海外で復活の成功事例があればいいなあと思っているのですが、まだそれは情報収集中です。

恐らく電子書籍やWebやスマホなどの技術と組み合わさってゲームブックが出て来てくれるんじゃないかなあと筆者は期待してるのですが……。

先ほど英語の項目で述べたように、Lifelineの様なSNS風スマホアプリ版の人気が出るんじゃないかなあと思いますが……。

それにしてもCYOAの訳が「きみならどうします?」と言う揺れのある表現でウケましたよ。「あなたならどうします?」ならわかるけど、親しげなのか堅苦しいのかどっちつかずがいい味出してますね。

 

以上、北海道からでした。

 

 

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