なぜ小売店で「いらっしゃいませ」というのか? 理由が4つはある説。
こんにちは。
さあみなさん、選択肢を創りましょう。
ゲームブック投稿サイトの管理者です。
さて、ネット通販が当たり前になり、コンテンツの多くは電子媒体などで提供され、モトを店舗で買うという行為も以前ほどは重要性が薄くなっています。
そのため、店舗に行くと
いらっしゃいませ
と店員さんの声が心地よく響きます。
お客を迎え入れる言葉としてよく使われていますが、実はもっと重要な意味があるのです。
今回は小売経験者としてそのことについて少し触れたいと思います。
目次
お客様への挨拶
もちろん一番の意味合いはこちらになります。
これを言わないと
無愛想だ
とか
従業員の教育がなっていない
と、特に店舗サービスに問題がなくとも突っ込まれる材料を作ってしまいがちです。
もちろん従業員は接客だけではなく、200を超えると言われる作業を黙々とこなす必要があるので多忙になると声掛けをする余裕が亡くなる人も居ます。
そんななか、ユニクロとかで試着で乱れた商品をたたみながらいらっしゃいませと声掛けする姿を見ると凄いなーと思います。
筆者は作業服専門店で責任者をしていた割には、衣料品をたたむの超苦手なんですよ。
(あと余談ですが作業服専門店だって言っているのに普通に最先端の流行を狙うアパレルショップの責任者にと声がかかったりした事もあり戸惑いました)
もっとも、電話応対をしながら窓口で領収書くらいかけないと小売店で働くのはキツイですよ。
防犯と対策として
そして重要なのがこちら、防犯です。
試しに二十四時間営業のスーパーとか行ってみて下さい。
警備員が積極的に「いらっしゃいませ」と言っているはずです。
おわかりですね?
万引きをしようとする輩は従業員、ましてや警備員から注目されることを嫌がりますね。
つまり「いらっしゃいませ」には、万引きを企ててる人に対しては
てめえこの! 面は覚えたからな。怪しい動き見せたらただじゃ置かねえぞ。警察突き出すからな!
という意味になるんです。
もちろん普通にお客としてきた人には普通に冒頭で触れた「いらっしゃいませ」の意味しかありません。
でも犯罪を犯そうとする人にはものすごいプレッシャーや抑止力として効果的に働くんです。
なので「いらっしゃいませ」の声掛けをしない従業員は防犯の意識が薄いと言わざるを得ません。
事故対策として
先程述べましたが、従業員の仕事は接客だけではありません。
売場の陳列、POPの提示、什器の設置や撤去、商品の搬入、検品、陳列、品出し、返品など……。
200は超えると言われる作業をこなすわけです。
その間台車に什器とか乗せて通路を移動すると結構危ないわけです。
現に筆者の務めていた大型店では台車をお客さんにぶつけてしまい、お客さんに怪我をさせ、訴訟に発展したという話を聞きました。
実際筆者も売場を作っている最中に子供が台車に乗っていた什器で怪我をし、親御さんと一緒に病院に連れて行った経験があります。
それ以外にも、何らかの事故で病院へ運んだのも一度や二度ではありません。
結構危険なんですよ、売場って。
なので最低限事故を防ぐ手段として、声掛けをするわけです。
とりわけ台車で移動中は声掛けをすることにより、従業員が近くにいることを周知できるわけです。
「いらっしゃいませ」は「ここを通ります、お気をつけ下さい」という意味もあるんですね。
余談ですが、日本では台車を押す文化が根付いていますが、本来台車は引っ張るもんです。
欧米ではそのほうが主流だそうで、引っ張っるほうが、ぶつかったとしても人同士の衝突なので、怪我も比較的軽く済みます。
ま、でもなかなかそう言うことを意識して声掛けをして台車を引っ張る店員さんてあまり見かけませんけどね。
采配管理として
主に店長やフロアマネジャーなどの責任者になって分かることですが、従業員が各売場で「いらっしゃいませ」という事により、売場の人員配置をお互い知ることが出来ます。
責任者が適切な人員を作業や接客に回す上で、「いらっしゃいませ」の声を聴くことで、どこで誰がどういう対応をしているのか瞬時に概要がわかります。
もちろん今はインカムと呼ばれるヘッドホンとマイクがセットになったものや、携帯電話などでやり取りすることも多いですけど、責任者としては各従業員の声掛けで目星をつけられます。
誰がどの辺りで、接客をしているのか、作業はしているけど接客応対可能なのかを把握し、接客の必要が生じた場合に責任者が割り振りしやすくなります。
声が聞こえなければ接客をしているか、あるいは指示以外の作業をしているのか、二人の声が同じところから聞こえればもしかしたらくっついて無駄話しているから注意しようとか。
あるいは全員から「いらっしゃいませ」の声を聞けてお客さんが少なめだから今のうちに誰かを休憩に入れておこうとか。
もちろん100%正確に従業員の動きが分かるわけじゃないですけど、刻々と変わる来店客数や接客応対の必要性の有無、売場の作業などをすすめる上で、従業員の行動をリアルタイムで瞬時に把握できる声掛けは有効なのです。
まとめ
そんな感じで「いらっしゃいませ」も奥が深いのです。
声掛けのない店舗は従業員はスキルが低いと言わざるを得ません。
逆に丁寧に声掛けをしている店舗や従業員は、サービスや店舗管理の品質が高かったり、一生懸命頑張っているということが伺えるのです。
そういうお店を利用したほうがいいですよ。
以上、北海道からでした。