ゲームブックの本質ってなぁに?
こんにちは。
ゲームブック投稿サイトとマーケットサイトを運営しているものです。
今回はゲームブックの本質についてお伝えしたいと思います。
目次
ゲームブックと言えば
火吹山の魔法使い ファイティング・ファンタジー (現代教養文庫)
- 作者: スティーブ・ジャクソン,イアン・リビングストン,浅羽莢子
- 出版社/メーカー: 社会思想社
- 発売日: 1984/12
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 7回
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懐かしいね。
ああ。独りTRPGね。サイコロ転がしてバトルしたり運試しして。
パソコンとかスマホがない時代、書籍でRPGが出来るからコストも安く人気だったね。
という向きが多いと思うんです。
じゃあ、TRPGに似たもの、書籍にしたのがゲームブックでしょうか?
モンスターとのバトルでサイコロ転がすのがゲームブック?
それともダンジョンを彷徨い歩いてマッピングしたり、どの道筋を選んできたか書き留めておくのがゲームブックでしょうか?
ゲームブックのデザイン
あらゆる要素を削ぎ落とし、それ以上削ぎ落としたらゲームブックとは言えない、というところまでもっていくと残るものは何だと思いますか?
答えを言っちゃいますと「選択肢」なんですよ。
ただし単発ではダメで、連続していく必要があります。
「選択肢が続く物語」がゲームブックの本質です。
デザインと言ってもいい。
筆者がこの事に気付いたキッカケとなったのは、銀魂で日記に選択肢を付けて分岐するように書いたものが取り扱わられ、ツイッターで「それはゲームブックじゃん」と話題になったからです。
そこにはサイコロも記録紙もダンジョンもモンスターもいません。
「選択肢が続く物語」を人はゲームブックとして認識しているんです。
身近な例
ゲームブックを知らない方に分かりやすい例はイエスノーチャートでしょう。
性格診断とか、就職で向いている職種選びなどでお馴染みです。
質問にハイとイイエで答えて分岐をたどっていくと、結果を得ることが出来る。
当然選び方によって違う結果が出る。
すなわちマルチエンディングという訳です。
それに物語性を付与すれば面白いゲームブックとして昇華されます。
若さ、若さって何だ?
ギャバンのテーマソングを歌いたいわけじゃないですが、ゲームブックは老人会化しています。
それは懸念事項です。
あまりにも過去の栄光にすがりすぎ。
新しいものを創っていかないと廃ります。
てか、ゲームブックがオワコンだと言われるのもそこが最大要因。
懐かしいとか、過去の名作を振り返るとか。
それでは流行らないし盛り上がりもしません。
同窓会も毎日なんてやってらんないでしょう。
たま〜にやるから楽しいんです。
振り向かないでください。
何でもゲームブックに思えてきた
一度選択肢が連続するとゲームブックだと言う考えを思いつくと、もう目につくモノが全てゲームブックの様に思えてきました。
朝、目覚ましのベルが鳴って起きるのか・スヌーズをかけてまた一眠りするか。
そのあとトイレに行くかまずは洗顔をするのか。
スマホを触るのかテレビを見るのか。
テレビを見るのならリモコンを取り、どのチャンネルを選ぶのか…。
家を出て通勤するときも道を選ぶことが出来るわけですよ。
左に行けばいつものホームレスを見かける。
彼はいつも分厚い毛布で全身を覆い、アスファルトの上で眠りこけている。
一見不幸そうに見えるけど、起きていたときに陽気に鼻歌を歌って宝物(?)の大量の空き缶の袋を結わえているのを見かけたり。
あるときは忽然と姿を消し、もしや…との不安をよそに別のもっと人通りの多い鉄道の高架下で眠りこけていたり。
右に行けば公園。
そこには保育園か幼稚園の子供たちが先生と一緒に駆けずり回っている。
幼い子の黄色い声は聞くと心が落ち着く。
あるときは鬼ごっこ。あるときはボール投げ。またあるときは遊具で遊ぶ。
少子高齢化でなかなかお目にかかれない姿を見かけるのは心が静かに踊る。
元気をもらって通勤路を歩く。
どちらを選ぶか?
毎日の日常でも微妙な変化もあって実に興味深く、選択の奥深さを思い知らされるのです。
選択肢を創る
ゲームブックで最大の価値は選択肢の創造です。
例えば、社畜で過労死するほど仕事漬けのサラリーマンは、家族のため生活のためと思考停止状態になっている。
でも転職するとか起業するとか。
今ならYouTuberやらブロガーなどから始まって、自分の趣味が高じて仕事にしている人も居るくらいです。
第一自分の身体に危険が及ぶほど仕事や会社の優先順位が高いはずがないのです。
しかも今なら人手不足ですから職業も多様にある。
それが「自分は会社を辞められない」と言う選択肢が皆無の状態に「別の選択肢はないか?」と考える力添えをするのが選択肢の創造力です。
その力はゲームブックを制作する上で鍛えられていきます。
制作する力は既存の作品を読み漁ることで基礎力がついていく。
以上から、選択肢の力という重要性が導かれるのです。
選択肢の力
その後の流れを変えてしまうほどの分岐のことです。
人生の分かれ道と言っても良い。
本来選択肢にはそれほど影響力のあるものなのですけど、ゲームブック作品によってはそれが弱いものもあります。
物語の脈略もなく、ただ選ぶと直ぐにバッドエンドと言う展開のものもままあります。
プレイヤーによってはそれが博打みたいで面白い、いわばスマホゲームのガチャを引いているような感覚に陥る向きもあるようです。
ただ、本当におすすめなのは選択肢によっては登場人物の行動がガラリと180度変わる展開のものがあり、具体的には下記のような作品が面白いと思います。
銀行員ゲームブック バンカーズクエスト (SHINKIGENSHA GAME BOOK)
- 作者: 高平鳴海,ビッグ錠
- 出版社/メーカー: 新紀元社
- 発売日: 2015/11/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
↑銀行員の人生をシミュレートした異色ゲームブック。
登場人物の設定が細かいので様々な人間模様を伺うことができ、選択によって全く異なる行動を相手が取るので面白い。
↑こちらに「真夜中をさまようゲームブック」が収録されている。
何気ない日常から徐々に不思議な体験に巻き込まれる様が自然で興味深い。
芥川賞受賞作家がしたためた文章を読み進めるだけでも楽しい。
創作しよう
ゲームブック作品は数が少ないです。
1980年代には多数出ていましたが、それから激減しています。
現在でも新作がリリースされてはいますが、漫画や小説、ラノベなどと比べると見る影もありません。
でもTwitterを見ていると、創りたいという声も意外に多いんですよね。
実際pixivやら小説家になろうなどのサイトでゲームブックがなにげに投稿されているのを見かけますし。
ただ、ゲームブックを制作して公にリリースする、という環境が整っていないんですよね。
それは2015年くらいからわかっています。
一応ゲームブック投稿サイトや、売買できるサイトも創りましたけど、扱いにくいのもまた事実。
使いやすさや、認知度を高めたり、ゲームブック制作環境を整えていかないと広まるものも広まらないというのも重々承知しています。
それは牛歩ではありますが、着実に歩を進めて行きたいと思います。
まとめ
現段階でゲームブック制作に適したツールはTwineだと思います。
無料で利用できますので、気軽に試してみてください。
スマホでは非常に利用しにくいと思いますが、パソコンならWindows、Mac、Linux、どれにでも対応していますので!
以上、東京からでした。