謎解きゲームブックで著名なSCRAPさんが紙媒体のSCRAP出版を立ち上げ。電子書籍化の流れがある中でどう立ち振る舞うかに注目が集まりそうですね。
こんにつわ。
ゲームブック投稿サイトの管理者です。
昨日Twitterを「ゲームブック」で検索すると、このようなニュースを見つけました。
おお。脱出ゲームブックシリーズでお馴染みのSCRAPさんが自ら出版社を立ち上げると。
これはゲームブック業界にも激震が走ります。
そもそもSCRAPさんはリアル脱出ゲームで著名な企業。
最初は謎解きに関するフリーペーパーを刊行する集団から立ち上がりました。
しかし2012年(平成24年)2月に発行された44号を最後に休止しています。
ニュース記事によると電子書籍ではなく紙媒体で出版するようですよ。
- 付録付きの謎解きゲームブック「少女と箱と謎の古代遺跡(仮題/8月発売予定)」
- 3人でプレイするアンサンブルブック「三人の憂鬱な容疑者(仮題/10月発売予定)」
フリーペーパーを止めたのに敢えて紙媒体の出版社を立ち上げるとは!
この逆張り感が凄いですね。
これは注目ですよ。
目次
紙媒体は不利
恐らく熟慮の末に出版社を立ち上げたのでしょうね。
そこは興味津々です。
筆者の浅はかな考えでは紙媒体でのゲームブックリリースは大変不利だからです。
まあ、これまでさんざん書いてきたのですがまとめますと
- 製造コスト・手間がかかる
- 物流・小売で在庫管理コスト ・手間がかかる
- 消費者も手動でプレイしなくてはならない
と、三者三様にかなりの負荷をかけることになります。
それなのに敢えて紙で出すということは上記に述べた弊害を上回る利点が紙媒体で得られるという目論見だと言うことです。
これは非情に難易度の高い挑戦です。
圧倒的に失敗する確率が高いはずですが、それらをはねつける自信と実力があると経営判断したのでしょう。
凄いことですね。
確かにSCRAPさんの刊行するゲームブックはカラーページも多く、紙質もいいし付録が沢山あって、運用の仕方も今までにないような仕掛けを施しているので物語への没頭感が凄いんですよね。
リアル脱出ゲームで楽しんだ方ならより一層ハマれることでしょう。
斜陽でないことを祈ります
ゲームブックを推進・啓蒙する筆者の立場ではこういうことに触れたくはないですが、事実なので指摘します。
かつてSCRAPさんがリリースしたゲームブックを発行順にリストすると下記の通り。
人狼村からの脱出 狼を見つけないと、殺される (脱出ゲームブック)
- 作者: SCRAP
- 出版社/メーカー: リットーミュージック
- 発売日: 2012/05/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 5人 クリック: 81回
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ふたご島からの脱出 少年は戻りたいと思った。少女は救いたいと願った。 (脱出ゲームブック)
- 作者: SCRAP
- 出版社/メーカー: リットーミュージック
- 発売日: 2013/02/25
- メディア: 単行本
- クリック: 2回
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十人の憂鬱な容疑者 素敵なパーティ、死体がふたつ (脱出ゲームブック)
- 作者: SCRAP
- 出版社/メーカー: リットーミュージック
- 発売日: 2013/09/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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DEATH NOTE × SCRAP 死と砂の世界からの脱出
- 作者: (株)SCRAP,日下部匡俊
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2014/05/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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聡明なスパイは耳がいい 謎はメロディーの中にある (CDほか付) (脱出ゲームブック)
- 作者: SCRAP
- 出版社/メーカー: リットーミュージック
- 発売日: 2015/03/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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リアル恋愛ゲームブック 片想いからの脱出 「運命の人」と、両想いを目指せ! (マップ、手紙付)
- 作者: SCRAP,田中寛崇,松本哲也
- 出版社/メーカー: リットーミュージック
- 発売日: 2016/02/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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で、これらの作品のAmazonのレビュー数をグラフに表すと下記の通り。
レビュー数が右肩下がりです。
恐らく発行部数や売数とレビュー数は相関関係があると思います。
要するにだんだん売れなくなってきているのではないのかなあと懸念しています。
まとめ
筆者としては今後も売れて欲しいし比較的新しいゲームブックの一つのジャンルとして謎解きゲームブックシリーズが盛り上がって欲しいなと思います。
この時勢に逆らうかのように紙の出版社を立ち上げるのですから熱い想いがあってのことでしょう。
SCRAPさんのサイトで代表の加藤隆生さんはエンターテイメントは「物語に入ったような体感」と言う世界観の大切さを説いたうえで
新しい物語を獲得するために、思いついたことをいつでも自由に世に送り出せる出版社を作りました。
書籍を通じて、次世代の物語を見つけたいと思っています。
と書き綴っています。
前途は多難かと思いますが、筆者の杞憂な不安を完膚なきまでに叩きのめしてもらいたいと大変に期待しております。
以上、北海道からでした。