こんにちは。ゲームブック投稿サイトをリニューアル工事している者です。
以前の筆者のブログのアクセスには「ゲームブック 作り方」と言うキーワードでやってきてくれる方も多くいらっしゃいました。
大変嬉しいことです。
なのでさらりとではありますが書いてみますので、お読み下されば幸いです。
ひとつよろしくお願いします。
筆者の場合
まあ、筆者もゲームブック作家って勝手に名乗ってますがそんなに実績あるわけじゃないんですけど、一応おカネを貰ったこともあります。
ゲームブックをどうやって作るかって質問に対してですけど、既に小説や漫画を書いていらっしゃる方は、どうやって小説や漫画をかけるようになりました?
多分見よう見まねじゃないですかね?
そうです。名作を読みまくればいいんですよ。
ゲームブックも同じです。
筆者の場合は名作と言われる下記6作
- 火吹山の魔法使い
- バルサスの要塞
- ソーサリー四部作
それらを読破した後、ベーマガという愛称の(GLAYのHISASHIさんやホリエモンも愛読したと言われる)マイコンベーシックマガジンのペーパーアドベンチャーコーナーに投稿し、採用されたという経験があります。
そうですね。習うより慣れろ。
とにかく名作を読んで、真似して、どんどん作ればいいんです。
それだけですよ。
まず、基本はそれです。
具体例
でもそれだけだとこのエントリも不十分なので、筆者が良くやっているコトを説明しますね。
これは「ゲームブックって何? どんなものがあるの?」と言うエントリでも触れたのですが、ダンジョンを散策するパターンの作り方です。
筆者の記事を流用し、ちょっと修正して説明します。
ダンジョン散策するゲームブックの作り方の例を示しましょう。
↑例えば、このようなマップ原案を考えます。
マップの起点やゴール、交差点には番号(パラグラフと呼ばれる)をふります。
ユーザーはパラグラフ間を移動して物語を進め、クエスト(ゴール)を目指すわけです。
この場合のクエストは、9の出口にたどり着くこととします。
そして書き方のパターンは決まっていて、
- 2の様に、交差点なら十字路
- 3の様に角に立っているならL字路、L字型の通路
- 7の様な交差点はT字路
と言う表現を使い、どの方向へユーザーが向かうことが出来るのか、選択肢を用意すればいいんです。
具体的に書くと、こんな感じです。(情景描写も書き足しています)
【1】
君は入口に立っている。真っ暗な洞窟だ。ランタンに火を灯そう。どうやら北に進めるようだ。北に進むなら →【2】へ行け
【2】
君は十字路に立っている。東からは何やら物音が聞こえる。誰か居るのかもしれない。
さてどうするか?
東へ進む →【4】
西へ進む →【3】
南へ進む →【1】
北へ進む →【5】
【3】
君はL字型の交差点に居る。静寂が君を包む。早くここから出たいものだ。さあ、動こう。
東へ進む →【2】
北へ進む →【7】
【4】
君が歩を進めると、何やら只ならぬ気配を感じる。「ウオォォォォ!」獣が吠える! うわっ! キマイラだ! 君は慌てて剣に手をかけるもヤツの一撃を交わすのが遅れる……。残念だ。君は死んでしまった。最初からやり直すこと。 →【1】
【5】
君はL字型の交差点に居る。足元が湿気を帯びており、石畳の上を歩くのは滑りそうだ。気をつけて進め。
西へ進む →【6】
南へ進む →【2】
【6】
君はL字型の交差点に居る。バサバサッ! うわっ。突然の音と若干の風圧に君は驚く。何だ蝙蝠か。彼らは君の来訪に警戒して立ち去っただけのようだ。さあ、気を取り直して歩こう。
東へ進む →【5】
南へ進む →【7】
【7】
君はT字路に立っている。いつまでこの散策を続ければよいのだろう……。打ちひしがれる君は足元に清流が流れていることに気づく。君はしゃがみ込み、手ですくって一口飲む。「ほう」と短い溜息が出た。歩ける。行こう。(走れメロスのパクリです)
西へ進む →【8】
南へ進む →【3】
北へ進む →【6】
【8】
君はL字型の通路にやってきた。北の方は何か明るく光っている。怪しい魔法使いでもいなければいいのだが。
東へ進む →【7】
北へ進む →【9】
【9】
君は慎重に歩を進める。するとどうだ。目の前が眩しい。暫く君は目を閉じる。そう。幻ではない。待ち望んでいた外界だ! おめでとう。君は無事にこのダンジョンを制覇することが出来たのだ。ハッピーエンド。
ま、こんな感じです。
読者は選択肢を間違えばずっと【2】→【5】→【6】→【7】→【3】→【2】……と永遠にダンジョン内を彷徨うことになります。
そしてその選択肢を選んじゃうように文章を書き添えるのがゲームブック作家の腕の見せ所なんですね。
読者にはマップは普通与えられておらず、自分で方眼紙などに書いていく事が勧められています。
これが一つの作り方ですね。物語の途中で入れるようにすると良いでしょう。
ただ、お分かりかと思いますがこれは制作側の立場ではかなり楽なんです。
マップを作れば自ずと文章は書き上がりますから。
ゲームはユーザーに適度な負荷や困難を与え、それを乗り切ることが楽しいと言う満足感を提供する必要があります。
無味乾燥な「東と北へ行ける」と言う文章の羅列だけでは、つまらない単なる苦痛になってしまいます。
ダンジョン散策だけではダメで、情景描写や物語の肉付けはしっかりとやったほうが良いでしょう。
流れ図を考える
あと、一つの考え方として、パラグラフの遷移が例えば下記のように流れ図を書くと分かりやすいと思います。
↑この例で言えばユーザーは3回選択する内に15種類のエンディングにたどり着きます。
これを応用して、
- 一度は分岐したけどまた合流する
- ある選択肢を選ぶとゲームオーバー
という様にアイディア次第でいくらでも複雑にでき、ゲームの難しさが増します。
そしてフラグ管理として、
あるアイテムを持っているなら〇〇のパラグラフへ行け
と言う仕掛けを作ることも出来ますし、
例えばアイテムに番号を書いておき、
■■と言うアイテムが有るなら、その番号に30を足したパラグラフへ進め
と言うように、本当にアイテムを入手していないと前に進めないという仕組みも盛り込むことが出来ます。
まとめ
まあ、コンピュータゲームでプログラム上でやっている事をアナログ的にユーザーがやるっていうのがこのやり取りではあるんですけどね。
あんまり複雑にし過ぎちゃうとUIが悪くなりますから、その辺はバランスです。
また、ゲームブックには作成ツールが世界中で140以上あるそうです。
中にはマクロが使えるものもあり、簡単なフラグ管理や戦闘シーンも実現出来そうなものもあります。
先日紹介したTwineは無料で使えますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
ゲームブックはまさにゲームと物語の融合で、可能性のあるものなのです。
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