こんにちは。
あるいはこんばんは。
ゲームブック総合サイトの管理者です。
ゲームブックを作ったり、いろいろな人に作品を読んでもらいたいと思う方へ。
一つは投稿サイトにアップロードすることです。
まあでも、こちらも自虐的ではありますが、あんまり流行ってないのでひとまず置いときましょう。
もうちょっといい話はないか?
そんなあなたにおすすめの記事です。
ツール
ゲームブック作成には様々なツールがあります。
まずはパラグラフ遷移が図示化され、マクロも使える無料ツール、Twineなんて最高です。
あるいは作成したゲームブックをHTMLファイルとしてダウンロードするにはプロ版(19.90 EUR)の有料ライセンスが必要ですが、Twineと同様の機能の上豊富なテンプレートで、様々な見栄えの良い作品を制作できるAXMA Story Makerもよろしいです。
上記のツールに比べ、取り扱うには4つのファイル郡をサーバーにアップロードが必要ですが、UIとしてはTwitterやLINEのタイムラインのように、シングルページアプリケーション(SPA)表記の出来るSquiffyも無料で使えてかなりいいです。
このようにゲームブック制作にはいい環境が整っているのですが、肝心のマーケットが皆無に等しい状態です。
強いて言えば本場イギリスのTextadventures.co.ukでしょうね。
恐らくこちらがゲームブックやテキストアドベンチャーの投稿サイトとしては世界で一番アクセス数の多いサイトかと思われます。
先程のSquiffyのツールを提供しているサイトでもあります。
Kindle
ところが日本でもじわじわとマーケットが出来つつあるんですよ。
それがKindleでのゲームブックです。
筆者も何点か試しに出版してみました。
Kindleはホームページを形成する言語であるHTMLと非情に似通った技術と互換性があります。
(正確にはKindleというより、ePubと言うAmazon以外が採用している電子書籍の形式。Kindleの出版にはePubからKindleの形式であるmobiにコンバート可能)
先程提示した3つのツールはすべてWebページでゲームブックを再現します。
それら3つのツールに比べればKindleなどの電子書籍のゲームブックは、リンクをクリックしたらパラグラフ遷移を自動でやってくれることくらいで、フラグ管理やパラグラフジャンプはおろか点数計算ですら出来ません。
そのため筆者は電子書籍ってゲームブックと別に相性良くとも何ともない、と言う立場ではあります。
ただし、マーケットの点からみればKindleこそ数少ないゲームブックマーケットの一つではないかと考えます。
一番の優れた点は、Kindle Unlimitedに採択され、Amazonプライム会員(申し訳ありません。ご指摘があり確認しましたらそれはPrime Readingと言う別のサービスです。月々980円のKindle Unlimited会員になる必要があります。お詫びして訂正させて頂きます。)Unlimited会員であれば無料で読めるようになる点です。
紙
ゲームブックは紙媒体の方が良い向きというのはあります。
人は印字された書籍のほうが間違いに気づきやすいんだそうです。
そう言う兼ね合いもあってか偶然か、リアル脱出ゲームブックは紙媒体しかありません。
いろいろな付録が付いているという点でも電子化が無理なのでしょうね。
つまり電子だと、既存のゲームブックを表現しきれない部分がどうしても出てきます。
まー、だから電子は冒頭でご紹介したツールの方が画像・音・BGM・なんなら動画・バトルシステムの導入・フラグ管理・自動パラグラフジャンプ・指じゃないちゃんとしたセーブ…など、多機能を盛り込めばそれで済む話ではあります……。
Word
そんな感じでベストとは言えないのですけど、選択肢を選んで多少のパラグラフジャンプを施す程度のゲームブックであれば、Kindleでいいんじゃないのと言う話。
で、いろいろなツールありますけど、実はWordでも大丈夫ですよって話です。
Amazonの通常のアカウントとは異なる手続きが必要です。https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/help/topic/G200620010
上記でアカウント情報の入力を行います。https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/help/topic/G202187740
一連の流れとしては上記のサイトが参考になりますので御覧ください。
そこまで終わっている前提で進めます。
まず、↑こう言う感じでWordでゲームブックを創りましたよと。
プロローグやエピローグ、奥付を含めてWordファイルに記載し保存しましたと。
で、印刷の向きは横にしましょ。
縦書きを選びましょう。
プロローグ、各パラグラフ冒頭のパラグラフ番号、エピローグ、奥付で以下の作業をします。
まずWordは「プロローグ」と記載された箇所の上部をクリックすると、「プロローグ」がハイライト(反転)します。
要するに選択された状態になります。
次にホームタブの状態で「スタイル」セクションで「見出し1」というところをクリックします。
するとこれがアンカーの様な状態になり、後に目次や文中の選択肢を選ぶとそのアンカーへとページが自動的に飛ぶようになります。
次に「ページ区切り」という便利な機能があるので導入しましょう。
例えばパラグラフ番号1の前にカーソルを位置させ「ページ区切り」をクリックして下さい。
パラグラフ単位で改ページとなり、パラグラフの狭間が分かりやすくなり、UIがよくなります。
UIと言えばパラグラフジャンプ、読者が直接パラグラフを検索する場合もありますね。
それについては次の作業をしておきましょう。
パラグラフ一覧を目次として入れることが出来るのです。
目次を挿入する場所を予めクリックしておき、「参考資料」タブで「目次」項目の「自動作成の目次1」をクリックすればWordが目次を作成してくれます。
こんな感じでちょっと無駄な情報多すぎなので修正します。
同じく「参考資料」タブの「目次」項目で「ユーザー設定の目次」という機能があります。
それをクリックするとダイアログボックスが開くので、「ページ番号を表示する」のチェックをオフ、「アウトラインレベル」を1にします。
パラグラフジャンプなどでのリンク表記にはこれでいい感じになるかなと思います。
こんな感じです。
次に、文中の選択肢を選んだ後、ハイパーリンク機能で飛び先パラグラフへ自動で移動するようにするためには、根性がいります。
先程同様、Wordは該当箇所の上部をクリックすると、その一文を選択できます。
その状態で「挿入」タブの「リンク」のボタンを押します。
ダイアログボックスが現れますので、左側の「このドキュメント内」をクリック。
すると、目次を作ったので各パラグラフがここで表示されます。
飛び先の該当パラグラフを選びます。
この例だと7なので、七を選択してOKボタンを押します。
御覧ください。
選択肢にリンクがつきました。
Ctrlキーを押しながらリンクをクリックすると、見事該当パラグラフへと自動で飛びます。
これを全選択肢で繰り返すのです。
ちょっと大変ですが、ネ。
アップロード
上記生成したWordファイルをKDPの管理画面でアップロードします。
表紙画像は1600×2560が望ましいようですので、それに準じて用意してアップロードしましょう。
実際に出版されるまでには結構時間がかかります。
気長に待ちましょう。
出版が始まれば、Amazonからアカウントのメールアドレス宛にその旨の連絡が来ますよ。
今回のエントリ作成でスクショ取ってたゲームブック作品がこちらです。
実行画面をチェックしてみましょう。
iPadだとこんな感じです。
問題ないですね。
ところがWindowsのKindleアプリだと「ー」カギかっこや長音記号が縦になりませぬ。
句読点記号も非対象のようです。
心なしかフォントもイマイチじゃないですか?
調べたところこのエントリ執筆時点では、日本語書物の場合フォントの変更が不可能なようです。
残念。
Kindleのオンライン プレビューアーだといい感じで表示されるのですがね……。
Androidは筆者は所有していないので確認できません。
このように環境によって表示がイマイチな事があるかも知れないのが弱点です。
恐らく横書きなら見栄えが気にならないのではないかと思われます。
まとめ
そんな感じでWindowsのKindle for PCには今ひとつではありますが、Wordで気軽にハイパーリンクつきのゲームブック作成が可能であることがお分かり頂けたでしょうか。
このエントリでは縦書きにしてますが、横書きでも同様の方法で出来ます。
せっかくゲームブック作ったけど、マーケットがなくて困ってる方は、Kindleでのリリースを検討してみては如何でしょうか。
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