「魔人竜生誕」レビュー。ストーリー展開と登場人物との人間模様そしてバトルの攻防が高いレベルで表現されているじっくり楽しむゲームブック。

ゲームブックレビュー

こんにちは。

ゲームブック投稿サイトの管理者です。

本日はこちらの作品のレビュー・感想・印象などを書きます。

リメイク版です。

初出は2006年ですから10年アニバーサリー。 

Kindle版のまえにiGameBookでアプリ版としてもリリースされていた事もありましたが、筆者は今回初めてプレイします。

そのレビューです。

下準備

ゲームを進めるうえではRPGで言うライフや経験値、技術点などのパラメータを管理する必要があります。

ゲームブックではそれを手書きやメモ等で行います。(アドベンチャーシートと呼びます)

今回出版社の幻想迷宮書店さんで用意してくれています。

http://gensoumeikyuu.com/misc/10_majin_sheet.pdf

特にスマホ環境だとPDFを印字したほうが良いでしょう。

下記の例をご紹介します。

  • 使用スマホがiPhone
  • セブン-イレブンで印字
‎App Storeに接続しています
‎Apple Musicに接続しています

↑こちらを入手しておいてSafariでPDFをダウンロードします。

↑「次の方法で開く…」をタップ。

この表示が出なければ軽く画面を叩けば出ますよ。

↑「netprintにコピー」をタップ。

↑netprintが起動します。

↑特に設定を弄る必要はないでしょう。

アップロードして下さい。

↑自動でアップロードしてくれます。

↑予約番号が表示されます。

あとは店舗のマルチコピー機でこの番号を入力すれば印字出来ます。

このエントリ執筆時点で20円です。

↑プレビューも見られますよ。

なお、PDFよりExcelの方が良いと言う方もいるでしょう。

普通にAppleのNumbersでもいいでしょうし、Googleアカウントをお持ちならGoogleスプレッドシートを使うという手もありますね。

物語

世界観としては現在社会でのファンタジー。

仮面ライダーに近い話といえるでしょう。

死んだ主人公は転生し超人として活躍します。

普段の日常生活で起こる数々の陰謀と事件!

主人公は悪を叩きのめす事が出来るのか?

パラメータ多し

主人公の状況を司る数値は5つ。

  • 生命力
  • 持久力
  • 攻撃力
  • 防御力
  • 生神力

この作品はバトルによって生死が決まるので非情に充実したものになっています。

聞き慣れない最後の「生神力」はいわゆる経験値、EXPです。

これがまた生命力と混同しがちです。

気をつけてくださいね。

技も多し

対戦格闘ゲーの様に必殺技を繰り出せます。

と言うかまあ、攻撃はそれが全てです。

技が全部でいくつあるかはゲームを進めるうちに分かることでしょう。

冒険の途中に覚えていく必要があります。

当然敵によって有効な手立てが異なりますし。

試行錯誤してそれを見つけていきましょう。

フラグマトリクス?

ゲームブックはパラグラフ番号と呼ばれる番号をたどりながら次のシーンへと読み進めます。

そのとき、ある条件を満たすことで移動できる範囲が広がっていきます。

その要となるのがこのフラグマトリクス。

16種類のパラメータがあります。

冒険の途中で主人公の行動如何で常に変化していきます。

自ずと読み進めるシーンが異なっていきます。

すごく複雑なシーン遷移を想定した作品となっていますよ。

作者の方はよく制作されたなあと関心しきりです。

物語が面白いですよ

ヒーロー物の影響をかなり受けているこの作品、登場人物とのやりとりがとてもおもしろいです。

テレビ番組の様に毎回異なった事件が勃発します。

その原因は邪魔神と呼ばれる怪人が絡んでおり、そいつを見事倒せれば次のシーンに駒を進めることが出来るのです。

勿論選択肢を適切に選ぶことが重要。

敵は強敵ばかりです。

いろいろ知恵を働かせましょう。

途中出てくるある人物がかなりの存在感で読者の前に立ちはだかります。

自分の目的の「正当性」を考えさせられるシーンの数々は脱帽ものですね。

バトルは2D6

邪魔神との戦闘ではサイコロが二つ必要。

アプリで代用するといいでしょう。

こちらの攻撃が失敗しないかぎりは一方的に必殺技をかけ続けることが出来ます。

上手く行けば相手からの攻撃を受けずに倒すことも可能です。

勿論そう簡単に事が運ぶようにはなっていないので、いろいろ散策が必要です。

筆者の環境

ここで話題が少しそれますが

筆者のPC環境はディスプレイ二つです。

ま、つまり書籍を一つのディスプレイで表示、アドベンチャーシートとダイスをもう一つで、と言う形でプレイしました。

スマホ片手に電車の中で!

というわけには行きません。

そのため冒頭でPDFの印字をお勧めしました。

何が言いたいかというと、かなり手作業が必要とされるゲームなんです。

選択肢を選んで読み進めるたびにフラグマトリクスを操作する指示があることが多いのです。

当然どのパラグラフに移動するかの条件文も多くなっていきます。

バトルでも数値を常に変化させる必要にかられますし、そのTRPG感を楽しむゲームブックです。

面倒くさい?

結構プレイするのに手間暇かかる作品です。

でもこのような複雑な作業をさせるゲームブックはこちらを類推します。 

↑この謎解きゲームブックもパラメータが非情に多いんですよね。

そして新聞やら手紙やらいろいろな手がかりも紙媒体で提供されています。

正直面倒くさいんですけど、かなりの人気ですよ。

Amazonレビューを見ましたか?

このエントリ執筆時点で86個の評価で★4.5ですぜ。

なので煩雑さがゲームの楽しさを妨げているとは思いませんね。

初心者の方へ

ゲームブックをしたことがない!

と言う方には正直敷居が高いかも。

レアケースですがこのゲームブックではチュートリアルが欲しいところですね。

冒険の最初に様々なパラメータを決めるんですけど、最初の数値が上限値と言って、途中でそれを超えては行けないという指示が出ています。

でも生神力が貯まったり、邪魔人を倒したりするとボーナス的に「数値を増やせ」と表記があるのですがそれが上限値を超えて良いのかが分かりにくいんですよね。

多分超えても良いんじゃないかと。

さもなくばゲームクリアできないんじゃないのかなーと思いますんで。

つまり、好きなようにルールを変えて良いんですよ、ゲームブックって。

出会いがいいね

あと、読者にはなかなか気づかない所で、物語は大きく何種類かのシチュエーションが分岐しています。

出会いと言って良いかもしれない。

これがこの作品の一番の特徴なのかも。

恐らく一度プレイしただけではわからない。

何度も読み返し、別の選択肢を選んで……と言うゲームブックの醍醐味を感じ取ることの出来る作品に仕上がってます。

凄く斬新な取り組みだと思います。

それは何かって?

いや実際に手にとって見て下さい!

これは小説や漫画ではまず実現出来そうにもないすよ。

ゲームブックならではですねえ。

あとがきも凄い

あとがきに書いてあるのですがゲームブックと出会い、いつか作りたいと思って20年が経過。

そして創土社でリリースが決まって5年が経過したとの記述があります。

確かにそれだけの歳月を費やしたというのも頷けます。

これほどの作品を制作するとなると、そのレベルで時間が必要になるでしょうね。

まとめ

以上のようにあらゆる点で楽しめる重厚な内容のゲームブックになっています。

それがわずか500円で楽しめるというのは驚愕としか言いようがありません。

初心者の方は最初は戸惑うかもしれませんが、謎解きゲームブックの様に、何日もかけて楽しむ作品だと理解して下さい。

じっくり楽しめる素晴らしい作品ですよ。 

↑ぜひプレイしてみてください。

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