こんにちは。
ゲームブック投稿サイトリニューアル中の管理者です。
往年の名作ゲームブック「ソーサリーシリーズ」が、App Store版、Google Play版、そしてSteam版でリリースされています。
- 魔法使いの丘
- 城塞都市カーレ
- 七匹の大蛇
- 王たちの冠
上記全て出ています。
今回iOS版のPart1(魔法使いの丘)をプレイしましたので、そのレビューや感想をかきたいと思います。
弱点
はい。
のっけから弱点を述べておきます。
冒頭にYouTube動画貼っときました通り、本場イギリス産のため英語版のみです。
日本語版出してくれないかとソフトウェアメーカーinkleのJon Ingold氏にメールで問い合わせたことがあるのですけど、諸事情(いろいろだが主に翻訳などの経費に売上がペイしない)のため残念だけど出来ないと言われました。
日本でソーサリーシリーズが大人気だということもケンブリッジ大卒の彼らは頭がいいので当然のごとくご存知でした。
何とかわかってくれよと切実でしたよ。
うーん仕方ない。
日本語じゃないのが残念ですね。
諦めて英語勉強しましょう。
美しいグラフィクス
まあ、ゲームブックを楽しみながら英語が勉強できると思えば一石二鳥です。
さらにはとても美しいグラフィクスなのですよ!
停止画ではなく、実になめらかに動くアニメーションが施されています。
冒頭の雲の動きなんて感動モノですよ。
そしてバックにさり気なく流れる音楽が雰囲気を盛り上げてくれます。
本当にセンスの良い世界観で、物語に入っていけます。
↑キャラクターを選ぶことができます。
男性キャラ・女性キャラのようですね。
できれば男女差を超えたエルフ的な美しさをもったキャラを選べると面白いんですけどね。
四部作の第一弾
あなたはカクハバードの自然を歩いてきた。
カーレや意地悪なバクランドを通り、はるばるマンパンまで。
あなたはトラップや盗賊やヘビたち、そして執念深い神々から生き延びて来た。
そしていまたどり着いた。
王たちの冠(諸王の冠)だ!
この文言が映画のプロローグのように現れます。
ちなみにソーサリーは4部作です。
今回はシャムタンティと呼ばれる魔法使いの潜む丘を抜けるお話。
- カーレ
- バクランド
- マンパン
以上はそれぞれ続編の舞台となります。
Part1の本作は「シャムタンティヒルズ」
日本語名では「魔法使いの丘」あるいはそのまま「シャムタンティの丘を越えて」となっています。
ネタバレというか、書籍版の表紙でお察しの通り、ラスボスはマンティコアです。
ライオンが翼を広げ、毒針を蓄えたサソリのような尾を持つ強敵。
どんないきさつでヤツとご対面するのかは実際に冒険に出かけてみてください。
画面構成
画面構成は上図のようになっております。
左上にスタミナ、ゴールド、食料のステータスが表示されます。
「PANTHER」と表示されているところはプレイヤーの精神的な状態を表しているらしく、動物の名称が表示され、刻々と変化します。
それにより冒険の途中で体力を回復できたりします。(まあ、良く分かりません)
歯車のボタンは様々な設定ができます。
下段左からマップ上でプレイヤーがどこにいるか表示するための「Center」ボタン、アイテム表示、一回戻す、魔法の呪文の書、そして「祈り」
これは先程の「PANTHER」と表示されているところと連動しているようです。
それにしても「一回戻す」があるのはいいですね。
マップを見渡せる
シャムタンティの丘はピンチアウトで広域を見ることができます。
どんな地形になっているかおおよそ眺めることができますが、あまり重要ではありませんね。
冒険そのものでヒントなどを得るということには役立ちそうにはありません。
ただ、もの凄くなめらかに3D的に表示されます。
雰囲気を楽しむには非常に素晴らしい演出といえます。
旅立ち
日が昇る。
あなたは服を着て、パンとヤギの乳で朝食をとり、あなたのベッドのそばから荷物をまとめ、剣を手にした。
- 剣を試す
- 幸運を祈る
- 小屋を後にする
以後このような文章と選択肢が現れます。
冒険の最中は常に状況描写と選択肢を選び、キャラクターをマップの上で操り冒険を進めます。
はい。ゲームブックをプレイしたことのある方ならお馴染みの人物が現れます。
「軍曹、おはようございます」(筆者意訳:軍曹に敬礼している状態)
「どけてくれよ」
さあ、あなたはどちらを選びますか。
先ほどの人物との戦闘シーン。
あなたは攻撃力を0からコンマ1単位で決めることができます。
攻撃力決定後、双方の攻撃力が大きい方がそのターンで相手の体力を奪えます。
ただし、互いに無尽蔵に攻撃力があるわけではありません。
使った分消耗し、回復するのにターンを待たねばならないので、そこは敵の攻撃との駆け引きです。
攻撃力を効率よく回復するには「Defend!」を選べばOK。
相手が攻撃していてもダメージは1しか受けません。
文章で相手の様子が伺えるので、
- 相手がどう出るかを読み
- 攻撃力をいくつにするか
- 防御して溜めるか
それらがバトルを有利にすすめる鍵となります。
↑例えばこれだと
- プレイヤーの攻撃力 6.1
- 敵の攻撃力 2.4
- 相手のダメージ 2
となっています。
圧倒的攻撃力で敵のダメージを奪えたのは良いですけど、次のターンでは攻撃力を使いきったので防御に回るしかありません。
できればプレイヤーも今回の攻撃力は3程度にして、残りを温存しておいたほうがその後の戦いでも有利ということです。
ただ、相手の体力が1なので次のターンはありませんけどね。
魔法を唱えよ
Sorceryと言うのは「魔法」「魔術」と言う意味です。
なので冒険の途中、魔法を唱えることも多いですよ。
↑こちらは魔法を唱えるという選択肢を選んだあとのシーンです。
アルファベットが宙に並んでいるんですよ。
これを選ぶUIが幻想的でいいんですね。
↑この魔法は「解錠してドアを開ける」と言うもの。
スタミナを1消耗します。
さあ、唱えよう!
↑マップ上を移動していると、このように青い旗が立っています。
プレイヤーを好みの旗までドラッグするとそこまで移動できます。
それにしても音楽や音響が凝っていますね。
カラスの鳴き声や川の流れる音、町が近づけば人々のざわめきなど。
臨場感を感じることができます。
そして様々なイベント、トラップ、アクシデント、登場人物に出くわしますよ。
↑もちろんこの人にもね。
さあ、めちゃくちゃ強そうなこの戦士。
あなたならどう立ち振る舞いますか?
↑さて、数々の困難をくぐり抜け、ラスボスを倒し、さらに何かをすると見事クリアできます。
ネタバレ防止のためモザイク掛けときましたよ。
筆者は書籍版でクリアしたので懐かしさや新しい仕掛けや、美しい画面・音楽・音響・演出を凄く楽しませてもらいました。
まとめ
すべて英文ですが、かなり平易なので初見の方でも十分楽しめるかと思います。
書籍版を読んだことのある人なら、その事を思い出しながらプレイするとノスタルジーも合わせて楽しさが倍増する事間違いなしですよ。
サイコロ転がしてアドベンチャーシートに書き綴った煩わしさもありませんしね。
画像や音が凝っているので、もはやゲームブックと言うよりノベルゲームに近いかもしれません。
いずれにせよスティーブ・ジャクソン先生の渾身の名作がinkle社の高度な技術と卓越したセンスで見事に蘇っています。
その世界観を思う存分楽しんで下さい。
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