Ranger’s Field ―レインジャーズフィールド― Field.2 レビュー

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さて本エントリではRanger’s Field2のレビューについて触れます。

この作品の概要につきましてはこちらのエントリをご参照ください。

主人公ジーン

読者は主人公ジーンを操ります。

実はジェンダー(男女区別)が決まってないのです。

流石ですね。

これは津村紀久子さん作の『真夜中をさまようゲームブック』でも取られた手法。

読み手を選ばず、読者が主人公としての没頭感を感じやすい反面、記述するには非常に高度なスキルを要求されます。

……ので筆者はゲームブックを書くことがあってもやりませんね(出来ないとも言う)。

前回紹介したlifelineはタイラーと言う男性相手に、プレイヤーは女性口調で答える体裁なんですの。

時代はジェンダーにとらわれない流れですから先を行ってますね。

ひらめけ閃け!

さて本シリーズでは閃くことが重要です。

ゲームブック世代の方であれば

一休さんの様にぽくぽくぽく、チーン!

あばれはっちゃくの様にひらめけひらめけ!

と心で叫びながら読み進めると良いでしょう。

「てめぇの馬鹿さ加減にはなぁ、父ちゃん情けなくて涙出てくらぁい!」

若い方はこの項目は読まなかった事にして下さい。

手軽なUI

数あるゲームブックは冒険記録用紙とかアドベンチャーシートと呼ばれる紙に書きこんだり、メモアプリの利用を促すのに、この作品はKindle付属のハイライトでok。

おさらいですが、PCやMac版Kindleアプリなら該当文言を選択して右クリックでハイライトさせることが出来ますし、スマホアプリならノート型のアイコンタップすればメニューが出てきます。

ハイライトした箇所にメモもできますし、PCや Mac版はハイライトをhtmlファイルとして保存が可能で後で集計する時には便利です。

Ranger’s Fieldでは、実績を上げるだけではなく、企業として利益も上げる、すなわち経費削減の意識がモノを言います。

実社会とそこはおんなじです。

利益出すなら売上を伸ばすより経費削減の方が効率的なのです。

どうしたら無駄玉を発射しないで済むのかよおく考え、試行錯誤もしてみましょう。

フィクションのはずなのに意識せざるを得ないリアリティ。

ひしひしと感じ取ってください。

ブルトゥス

アルバシャリの国立公園で出没するロボットとも動物ともつかないブルトゥスという存在。

Bluetoothの様に接続される訳でもなく、熊のように人を襲ったりはしないけれど農業被害は深刻で、田畑に多数出没する厄介な存在……。

道民には既視感。

エゾシカみたいですね。

彼らに寄る農業被害はピーク時で年間64億、最近では自治体やハンターたちの努力の甲斐もあり38億程度にまで減少しています。

北海道の道路で車を走らせると、郊外や田舎道では鹿の出没に注意喚起する看板を幾度となく見かけます。

ぶつかると廃車ですからね。

マジ危険ですよ。

夜中に走ると目が光っていて怖いんですよ、特に複数形だと。

で、旭山動物園でエゾシカの行動展示見たことありますけど、あいつら胃袋4つあって牛の仲間だって言うのに2.5メートルくらいの高さを軽々とジャンプするんですぜ?

(ちなみに飼育員さんたち大抵は小学生の頃、山奥などで虫を捕まえに30キロの距離位は自転車で朝飯前って猛者ばっかり。24時間動物の世話をし続けるのが楽しくてしょうがないって方しかいませんでしたね。)

元は人類がエゾシカの天敵であるオオカミを駆除して絶滅させてしまったがために増えすぎて餌がなくなり、エゾシカも不本意ながら人里で農作物を食い荒らすと言う、結局人類に原因があるんでしょって話があります。

勝手にストーリーを推測しちゃうのですが、ブルトゥスも人類がなんか変なことしちゃったから眼前に迷惑な存在として立ち塞がったのかもねって。

ついでに種によっては2.5メートル位ジャンプするかもなっておっかなびっくりしながら読み進めちゃいますね。

でもそう言う迷惑な存在があり、需要が生じたからこそレインジャーが活躍の場を与えられる事になった訳で、ブルトゥスがいてくてないとレインジャー達は失業するので難しいところですね。

更にはブルトゥス自体完全駆除すると人類としては困る一面もあるようで……。

種類もたくさんあり、個体数も膨大です。

一体どの様な経緯で彼らは生まれてきたのか。

ただのロボットではないようですからね。

登場人物

さて物語は前作からさらに登場人物が増えていきます。

真面目メガネ女子で今回の表紙を飾る人物。

彼女が話に加わることで一体どの様な展開が待ち受けているのでしょうか。

前作では世界観を目の当たりにし、なぜブルトゥスが存在するのか、作った人はどこへ雲隠れしたのか。

さらにもっと大きなものがうごめいている様なのですが、それらは新人ジーンには知り得るはずもありませんでした。

しかしメガネ女子がその謎を一つずつ紐解いていってくれそうな気配です。

どうなのさ? と言う感じですよね。

まあ、コーヒーでも飲みながら読み進めるのが気分がノって良いでしょう。

実のところは……まあ、それは読んでからのお楽しみです。

国道12号線

国道12号線と言う道が出てきます。

特設サイトのwordの項目にも記載されています。

Ranger's Field ―レインジャーズフィールド―
Kindleで読める連作ゲームブックシリーズ「Ranger's Field ―レインジャーズフィールド―」公式サイト。あなたはこの世界で『ブルトゥス』と人間の生存圏の境界を守る用心棒「レインジャー」となる。

じゃあ、日本ではどこにあるかと言うと、北海道にあります。

なので道民の筆者にしてみれば凄く親近感があります。

札幌から旭川までを結ぶ主要道路で、直線距離が29キロ位の箇所があって日本一だそうです。

筆者は何度も走った事がありまして……。

日本一長い直線道路を走り抜いた感想? うーん、ちょっと微妙に曲がってない? ってでもそれ札幌の時計台と一緒で言ってはならない秘密かも。

さて、物語ではブルトゥスとの最前線へと続く道となっています。

前作との違い

分量として前作より倍以上のボリュームになっています。

前作がパラグラフ数42であったのに、今作は倍以上の102です。

そのためより多くの種類のブルトゥスが現れますし、使う武器も種類が増えています。

どの種類の敵にどの武器を使うか。

さらにその武器を使うにはどういう立ち回りが必要か……。

神経を張り巡らせて熟読しましょう。

当然のことながら奥行きが深くなっています。

冒険性というかアドベンチャー性が高いと言いますか。

チームが協力し合ったり、助け合ったりという描写も多くて、そう言う展開に如何にして持っていくかという読者自身も身を乗り出してチームに参加しているかのような感覚に浸れます。

コロナ禍で外出できなくとも、この作品であたかも冒険しているかのような気分を感じられるので素晴らしいですね。

人間関係

前回のレビューでも触れましたが、主人公は新人社会人みたいな言動が多いです。

ちょっとした壁にぶち当たり落ち込んだりもするけれど、読む方としては元気になれます。

叱咤激励してくれる仲間というか先輩がいるからですね。

この作品のテーマの一つに主人公の成長というものが描かれているのだと感じます。

成長ものは実に清々しい感じがします。

社会人を何年も経験してしまうとどうしても忘れがちですから。

初心を思い出させてくれ、一つずつまた積み重ねていかないとな、と心を新たにさせてくれます。

それと、この作品の特徴をもうひとつ。

人との出会いを実に大切にしている作品ですね。

幾人もの登場人物と主人公・読者である新人ルーキー、ジーンとの距離感や立ち位置を手探りのように微調整していく感じが丁寧に描かれています。

でもそのたどたどしい距離感がぐっと縮まって……。

その様子はですね、おおっと、これ以上は……。

作品でご確認ください。

読み心地

本作の話の核心にたどり着くと、緊張が一気に高まります。

急展開しますね。

俄然チームワークが足並み揃い、士気があがります。

いささか立場の違いなどで葛藤もありますが、強いリーダーシップを発揮してくれる人がいるので筆者の選んだ選択肢では大丈夫でした。

迫りくるブルトゥスとレインジャーとの攻防の描写は鬼滅の刃のように水が刀から溢れ出てくるとか、対戦格闘ゲームで超必殺技・クリティカルアーツを発動させるときの緊迫感とか、その様なイメージが脳内再生されるかのようです。

このあたりの情景描写が卓越ですのでじっくりと読まれると良いでしょう。

分岐によっては集計をさせることなくENDになってしまうことがあるようで、その場合は最初からやり直すか、あるいはちょいと戻って別の選択肢を選んで読み進めてもいいかも知れません……非公式チートかもですが!

筆者は寝っ転がりながらiPadで読み進めたりもしました。

冒頭でも触れましたが、ゲームブックと言うと筆記具で紙にメモやマッピングをしながら読み進めるので敷居が高い作品もあるのですけど、こちらの作品は通勤通学途中の電車でスマホプレイでもOKですね。

ま、一応「敷居が高い」ゲームブックの立場についても触れておくと、とりわけスクラップさんの謎解きゲームブックはいろいろなアイテムが付属することが多く、家でじっくりとメモしたりアイテムを駆使して読み進めるのでその事自体がエンタメとなっております。

コンビニで弁当を買うのもまた良し、ピクニックでバーベキューと言った自炊をするのもまた良しと言うところでしょう。

どちらもエンタメとしてアリだと言うことです。

さて、筆者は非公式のチートもちょっと駆使して好成績で読み終えることが出来ました。

前作では利益が低くて最低ランクだったのに今回は最高益で、自分自身が成長したかのような感覚を得て気分が高揚しますね。

まとめ

前作がチュートリアル的なものであったのに対し、本作から世界観が少し明らかになり、主人公と新たに増える登場人物とのやりとり、そしてブルトゥスとの攻防が本格的になってきます。
でも真相はまだまだ闇の中。
薄皮を剥がすように世界観の全容が明らかになっていくので続編が非常に楽しみであります。

本作だけでも楽しめるようですが、前作を読んでからのほうが理解度も深まってモアベターかと思います。

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