こんにちは。
あるいはこんばんは。
ゲームブック総合サイトの管理者です。
只今リニューアルをしており、ゲームブックの検索が非常にいい感じになっていますのでぜひ御覧ください。
さて、今回は久々にゲームブックのレビューを認めることに致しました。
最近は大手出版社が、「都会のトム&ソーヤ・ぼくたちの映画祭」や、「帝國ホテル支配人の華麗なる推理」などのゲームブックをリリースするなどしています。
個人作家さんもKindle版を始めBOOTHなどで紙媒体の作品を販売する活動が顕著に見られるようになりました。
さらに追い風なのがKindle版はプライム会員ならUnlimitedに対応となることも多く、無料で沢山の作品を楽しめる状況になっています。
凄いのは幻想迷宮書店さんやFT書房さんの作品も無料で閲覧できる作品があることです。
ぜひチェックしてみてください。
そのさいにはゲームブック総合サイトが何かと便利です。
しつこいPR失礼いたしました。
では早速本題に入っていきます。
今回のレビューはレインジャーズフィールド1です。
概要
舞台は現在社会とは異なる異世界、アラカイド地方。
とはいってもゲームブックでありがちな中世ではなく近未来の世界。
火吹山やソーサリーで慣れ親しんだゴブリンやエルフといったモンスターは現れない。
最近話題のクトゥルフだかクトゥルーと言った頭足類的な面構えの化け物もいない。
出てくるのは熊……ではなく、ブルトゥスと呼ばれるロボットとも動物ともつかない存在。
ブルトゥスを創り管理していたアスタルと呼ばれる人々が無責任にも放置プレイを実施。
彼らの行方も分からぬため、人類は迫りくるブルトゥスと戦わなければならない!
とは言っても使徒は愚か熊ほどの危険性もなく、人を襲うわけではない。
が、農村地帯に出没し農民は迷惑をこうむっている。
そこで駆除請負人として「レインジャー」に白羽の矢が立ったのだ。
君は新米レインジャーのジーンを操り、仕事を遂行する羽目になる。
仕事という表現をしたのはほかでもない。
お金儲けが絡んでいるからだ!
戦うには様々な種類の武器を駆使する必要があり、ものによっては消耗品で、お高うございます。
依頼金は高額だが、消耗品の武器も高いので無駄に使うと利益をすさまじく削るので要注意。
このゲームブックは任務を遂行するにあたり、実績をあげることと高収益を叩き出すことの2点が要求されるアドベンチャーである。
途中で理不尽なゲームオーバーに出くわすことはほぼないが、選択によって前述の数値が変わる。
さて君は、高得点をマークすることができるだろうか?
レインジャーとして的確な行動は君の選択にかかっている!
……。
ってことを長々と書きましたが、実は専用のサイトがあります。
ぜひご覧になってください。
表紙デザイン
長編小説で大賞受賞経験もあるWebデザイナーの方が執筆されたそうです。
なるほど、確かにプロのデザイナーの仕業ですよね、この表紙。
実によくできています。
ちょっと素通りすることが出来ないほどの完成度なので元印刷屋として気づいた点を申し上げます。
- 左上の赤地に白抜き文字。小さいのに目立つし何の本だか一発で分かる。
- キャラの全体図と拡大図を薄く載せていることで空白をなくすことに成功。
- 空白がありすぎると見た目のバランスを保つのが困難。
- 拡大図は薄くしてバランスを最適化している。
- キャラを大事にしていることが伺え、物語性を高めることにも貢献。
- RANGER’S FIELDのタイトルに横のライン。この高さが実にバランス良く配合。
- 足元にはさり気なく地図、これで世界観もバッチリ。
見れば見るほど凄いんですよ。
タイトルの横のラインなんて、重要な役割を果たすから入れようってアイディアはコロンブスのたまごですよ。
言われたら入れたほうがいいってなるけど、何もない状態でラインを入れようって発想に、普通は辿り着けない。
ダッシュを赤にするというのも、これによりRANGERやFIELDと言う陳腐な単語が唯一無二の際立った存在に昇華しています。
この様に優れたデザインというものは全て説明ができるモンなんです。
あんまり感覚で入れたりっては無いと思います。
読み心地
登場人物の性格であったり、人間関係が丁寧に描かれています。
また情景描写も優れており、壮大な世界観を感じ取ること出来ます。
読者は前述の近未来的なファンタジーの世界で、レインジャー新人のジーンとして初仕事を承ります。
ジーン本人はちょっと頼りない感じがしますね。
でも強力なリーダーシップで支えてくれる上司がいますのでご安心を。
これは社会人1年目を彷彿させるというか……。
スキルが無いのは当然で、それでもどうにか認められよう、実績をあげよう、利益を守ろうって思うんですけど、世の中自分の思い通りになんか行かないですよね。
今のところ敵はこちらに致命傷を負わせるほど凶暴な存在では無いようですが、お金を稼ぐとはこうも大変なものなのかと実感してしまいます。
ああ。
学生の頃はなんて楽だったのだろう。
黙っていてもご飯が自動的に用意されていて、食べ終わったら食器は洗ってくれて、何なら洗濯モンまで意に介さず完了している。
親の有り難さをしみじみ感じますよね。
バトルシーンはいわゆるRPGモノの様に戦うのではなく、どの武器を使うかといったような選択がメイン。
非常にシンプルでスマホで移動中でもストレス無く楽しめそうです。
この作品の特徴としてはKindleならではの機能を使う想定になっているところ。
Windows版であれば右クリック、スマホ版なら長くタップすると「ハイライト」と言って選択した文字を保存しておけるのです。
物語の各場面で予め指示されていたように、ハイライトで記録しておき、最終局面で「採点」をします。
どれほど実績を挙げることが出来たか。
実際利益はどれほど得られたのか。
それによりエンディングが変わります。
いわゆるスコア制で、より良い結果を迎えるように試行錯誤するのがこの作品の一番の特徴となっています。
逆に途中で理不尽なバッドエンドはないようで、よく文章を読んでいれば何らかのエンディングにはたどり着けるようです。
しかし、うっかりすると袋小路に迷い込んでしまうかも知れませんので、油断なく読み進めてください。
実際筆者はだいぶ前にこの作品をプレイしていて、ループから抜け出せず、本日再度プレイしてようやくひとつの終末のページを開けたのでした。
ハイライト機能
前述した通りハイライト機能はパソコン版であれば右クリック、スマホなら長押しでハイライトさせることが可能です。
記録したハイライトはパソコン版では「ノートブックを表示」ボタン、スマホ版は横に線が4つほど入っている、ノート的なアイコンを押せば見ることが出来ます。
更にパソコン版ではエクスポートと言ってhtmlファイルでローカルに保存が可能なんですよね。
そのファイルをブラウザで開けば集計しやすいと思います。
筆者は実績を挙げることは出来たけども、利益は最低ランクに近く、いかにも新人社会人ぽい終わりを迎えました。
どうやったら利益を出せるか。
どこの世界も難しい問題ですよね。
まとめ
レインジャーズフィールドはシリーズ物で2巻も発売中です。
物語は続いていますが、単独でどれからでもプレイ可能だそうです。
パラグラフ総数は42です。
しかし文章量が長すぎず短すぎず適量なので読了感は爽やかです。
バッドエンドがないので気軽に手にとって読み進められます。
さらにはAmazonプライム会員(申し訳ありません。ご指摘があり確認しましたらそれはPrime Readingと言う別のサービスです。月々980円のKindle Unlimited会員になる必要があります。お詫びして訂正させて頂きます。)Kindle Unlimited会員ならUnlimited対応なので追加料金無しで読めます。
そうじゃなくとも売価はなんとわずか150円です。
まずはダウンロードしてみては如何でしょうか。
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