こんにちは。
ゲームブック投稿サイトの管理者です。
今回はこちらの作品。
ゲームブック温故屋さんの『ある剣士の物語』のレビューを書き綴りたいと思います。
煩雑とは無縁のシンプルゲームブック
アドベンチャーシート不要のファンタジーバトルゲームブック。
サイコロもひとつだけで基本的に煩雑なバトルシステムはありません。
途中入手したアイテムのメモが必要な程度ですが、非情に明確なつくりなので記憶でも行けるでしょう。
文芸的な要素は簡略化された文章。長文が苦手な方には取っ付き易く小気味よく展開が進むのはとてもいいと思います。
まあ、ただその分イベントが唐突過ぎる感じは否めないですね。
ただこれは好みの問題で、こう言う展開が苦手という方もいるかもですね。
筆者は嫌いではないですね。
寧ろゲームブック作家の端くれとしてこう言う作り方もあるのだと感心します。
イメージイラストも入っていて雰囲気・世界観がなかなかいいですよ。
イラストはフリー素材とのことなんですが、Google画像検索でもどこのサイトのものなのか判別できませんでした。海外のフリー素材かもです。
奇想天外な展開が物語盛り上げる
結構発想が自由というか……動物が話せるくらいはいいけど、そんなのあり? 言う展開の連続に驚きます。
いや、ファンタジーの世界ならこれは鬼才とも言うべき凄くいい取り組みなんじゃないですかね。
ネタバレするから書けないのが残念です。
筆者はなかなかこう言う発想が出来ないので羨ましく思います。
ドラゴン以外の生物は動物園によくいそうな生き物が大半を占めます。
それもまた面白いですね。
キャラがなかなかいいんですよ。いいやつばかりですよ。
フラグの使い方が巧妙
クイズや交渉、駆け引き、取引、バトルや手助けなど……様々なイベントや戦いが盛りだくさんです。
そこで得た情報やアイテムでその後の展開に影響してくる点はゲーム性に富みとても面白いつくりとなっています。
アイテムが上手くフラグの機能を果たし、適切なパラグラフへの分岐と繋がり、ゲームバランスを保っています。
これは物凄く凝っていますよ。
謎解きやバトルは平易に設定
バトル内容や謎解きも容易に設定しているのもいいと思います。
難しいのを好む方はSCRAPさんのリアル脱出ゲームブックがあるからいいんです。
平易なものもあったほうがいいですからね。
ラストの戦いは分岐をうまく使い、ユーザーをさほど煩わせることなく見事なバトルを再現している点は禿筆といえるでしょう。
これは……いい刺激を貰いました。
まとめ
ゲームをクリアするだけならすぐに終わります。
でも仲間を迎え入れたり、様々な出会いや、イベントが沢山隠されているので別の選択肢だったらどうなるだろう? と再度冒険に旅立ちたくなる内容となっています。
ただ難点をひとつ上げるとすれば、サイコロ振って選択肢を選ばせる項目が何回かあること。
これは別にユーザーに好きなのを選ばせてもいいんじゃないでしょうか。
しかし……指セーブを指示している箇所があったのは笑いました。
読み進めていて楽しいお勧めのゲームブックです。
このエントリ執筆時点でAmazonでは品切れのようですが、BOOTHにはあるようですよ。(要在庫確認)
コメント