こんにちは。
ゲームブック投稿サイトの管理者です。
長らくかかっていた作業が終わり、8月13日にローンチ出来ました。
専門的なことを言うと、リニューアル前のサイトはWordPressをベースに作成しており、今回は別のフレームワークを利用しています。
その違いや特徴を書いていきたいと思います。
パラグラフの取り扱い
ゲームブックの最大の特徴は、読者が各場面で選択肢を選び、次の行動を選ぶというアドベンチャーゲームである点です。
その運用にパラグラフと言う概念は欠かせず、パラグラフ単位で読者は行動します。
パラグラフ同士の区別に、ページ番号ならぬパラグラフ番号が割り当てられるわけですが、今回これは生かしました。
実は、パラグラフ番号って電子媒体になると要らなくなるものなのです。
実際の例としてはinkleが提供しているinkle Writerでゲームブックを作成するケース。
ゲームブック作家はinkle Writerで作品を制作し、inkleに見てもらいます。
その出来栄え如何でinkleが気に入ったらKindle版がリリースされるのですが、そこではパラグラフ番号はなく、リンクでパラグラフ遷移するような仕組みになっています。
1980年代の読者はペラペラと飛び先のパラグラフ番号までページをめくったものですが、電子媒体ではリンクがその代替となりました。
なので、パラグラフ番号をなくそうと思えばなくせましたが、敢えて生かしました。
今までのゲームブックとの互換性(?)を保つという目的、というよりは、新しい機能のためです。
足跡機能
紙媒体と電子媒体の大きな違いは電子はインターネットに繋げられるという点。
これを利用すれば、作品で読者はどのような足取りをしたのか記録に残せるのです。
ゲームブック作家の皆さんとしては、読者がどのような選択肢を選んだのか知れるもんなら知りたいんじゃないでしょうか。
せっかく苦労して作り上げた作品。
自分の思い通りの動きをしている読者をみたら、喜びも一入ですよね。
ま、逆にこれ、読者も見られるようになったらネタバレなどになってしまうので、制作した本人しか見られないようになっていますのでご安心を。
↑こんな感じで見られます。
パラグラフのシャッフル不要
紙媒体のゲームブックはパラグラフはシャッフルされたような状態でした。
つまり、冒頭で1をみて、次に移動するのは2や3というパターンは稀ということです。
今見ているパラグラフに関連する内容が書かれたパラグラフが次のページにあると、それはネタバレになっちまいます。
そこで1980年代のファイティング・ファンタジーシリーズは、トランプのカードがきられて(くられて)いるかの如くパラグラフの並びをランダムにしたのでした。
これはゲームブック作家としては結構面倒臭い作業です。
やらないでいいものならやりたくはないでしょう。
解決策は、読者には今読んでいるパラグラフ以外は見せないようにすればいい。
そして選択肢を選んだら、その選んだパラグラフだけが表示される。
以下その繰り返し。
これで制作が楽になりましたね。
タップ一つで次のと飛び先
これも電子書籍ではおなじみの機能です。
なのでもうちょっと押しやすく、ボタン型にしました。
スマホでも読み進めやすい仕様です。
上記の場合、最初のパラグラフ番号2の表示は¶記号と半角数字3桁で
¶002
と記載します。
飛び先である4,3,1,5に関しては [[ | ]] と言う(大かっこ、縦線)記号を使います。
[[ボタンの文章|飛び先パラグラフ番号]]
[[東へ進む →|004]]
こちらも数字は半角3桁で記載すれば、プレイするとき自動でボタンが出現します。
使い慣れたツールからコピペで
今回のサイトの特徴は、本文を規則に則って全て入力したら、自動でボタン生成されたり、パラグラフが一つずつ表示されるようになっているところです。
ただその分、CMSの機能は極限までシンプルなので、いつもあなたが使い慣れているWordだったり、エディタであったり、ワープロツールを使ったほうがいいでしょう。
完成した作品を投稿サイトの該当欄にコピペして下さい。
パラグラフジャンプ
今回のゲームブック投稿サイトはそれなりに良い面がありますが、問題もあります。
パラグラフジャンプという概念。
読者がとあるミッションをクリアしたらフラグのように番号を与えられたりします。
その番号をメモっておき、ここぞという場面で力を発動させたいときに、与えられた番号を何らかの計算を施して、答えのパラグラフ番号へ移動せよと言う展開。
これはズルが出来ず、ミッションをクリアしてフラグ番号を知らないと該当パラグラフへ移動出来ないという仕組みです。
この機能は今回盛り込んでおりません。
あと、今後も盛り込まないかもしれません。
例えば、このバンカーズクエストという作品は、上記で述べたようにフラグ管理に番号を読者に伝えるのではなく、ストレートに「あなたは何々したか?」と聞いてきます。
その質問内容によってはそれがネタバレじゃないかなとも思いますが、でもクリアしたかの判別、分岐はそれでよいのではないでしょうか?
ストレートな質問ではなく、物語に矛盾するような描写がある、例えば死んだはずのキャラが話しかけてくるとか。
選択肢でその話しかけに普通に応じるか、驚くという選択肢を設けるとか。
死んでるんだから驚くという選択肢がフラグの代わりだという風にもできそうですよね。
また、パラグラフジャンプはページ総当りで該当ページを紙媒体のようにペラペラめくる所作ですからユーザーエクスペリエンスとしては良くはないと思うのですよ。
読者にとっては煩わしいんじゃないかなと。
(この点、幻想迷宮書店さんはこの辺の取り組みをいい感じで行ってます)
前述の通り、ゲームブック制作の技術でクリアしていくべきことかなと思います。
指セーブ
ま、あと困っているのがいわゆる「指セーブ」ですね。
選択肢で迷ったら、指で挟んでおいて他の選択肢のページを覗いてみるというちょっとずるいやり方。
現状のところ非対応です。
でもそれは公式に認められている遊び方なのです。
指をこのように挟むことで超ズルいことが出来るんだよね。イアン・リビングストン先生は別の見解をお持ちに違いない。
問題ないぜぇ。5本指のブックマークは世界中で広く使われているんだぜぇ。
※注 筆者の英検2級レベルの英語力で翻訳しています…!
何と……!
あの、イアン・リビングストン先生が5本まで指セーブ大丈夫って言ってるんですよ。
その機能は盛り込みたかったのですが、要検討課題ですね。
出来るかな??
実のところ、読者が作品を途中でやめて続きは明日と言った場合……。
それは読者にとっては重要な機能ですよね……。
多分ですけどブラウザのタブを閉じなければそのまま続き出来るんだと思います。
(て、ことはデスクトップパソコンとか電源切ったら最初からパターン)
ユーザー登録とかログインとかしなくてもゲームブックをプレイするだけなら出来るように作ったので、セッションとか無関係なんで……。
どうかな?
問題があればちょっと対処していきたいところです。
挿絵挿入
あと今回のローンチではまだ画像については未対応です。
表紙絵であったり、ここぞという場面での挿絵……。
まあ、この辺は構築に日にちがかかると思いますが実装していきたいと思います。
もっとも、旧GameBook.xyzでは画像を挿入しない作品も多かったので、優先順位はそれほど高くないかなと今回は見送った案件です。
オッス、オラ、ゲームブック投稿サイト
そんなわけで読者にとっても作家にとってもとおってもおもしれー感じに仕上がってるから
ぜってぇ見てくれよな!
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