「たったひとりのサバイバル・ゲーム! ジャングルから脱出せよ」をクリア。レビュー・感想・印象を書きます。

ゲームブックレビュー

こんにちは。

ゲームブック投稿サイトの管理者です。

お子様向けのゲームブックとして、筆頭候補の本作品も、筆者はプレイしたことがあるのでレビュー、感想などを書いておきましょう。

このエントリ執筆時点でもAmazonレビューは20個の評価と★4となっています。

少年用に最適

対象年齢は小学生から中学生向けです。

すべての漢字にルビがふってありますし、文体もそうです。

少し残念なのは男の子用に傾倒していること。

ジェンダーに囚われず、女の子でも違和感なく物語に入っていけるような仕組みが盛り込まれていればもっといいな、と感じました。

なので例えば

少年少女二人一組がジャングルに置き去りにされた

と言う展開とか。

(それだとたったひとりのサバイバル・ゲームにならないけどさ……。こども二人のサバイバル・ゲームってダメ?)

もちろん恋愛感情とか変な大人の描写はなしでも行けると思います。

イタリア・ローマの市長や都知事に女性が選ばれたこともありますし、アメリカの大統領もヒラリーさんが就任する可能性もあったことだし。

男女平等で行きましょうよ。

少子化なんだし。

逆を言えば女の子向けの漫画を男の子が読んだっていいわけですから。 

↑これとかおっさんが読んでもオモロイけどね。

岡本由香子先生の訳が絶妙

素晴らしい日本語の文体です。

これは原文の良さもさることながら女性の翻訳家の方の卓越した文章力に脱帽ですね。

筆者は火吹山やソーサリーの浅羽莢子先生の超訳も好きでしたが、凄いですよ。

やはり翻訳や通訳など語学は女性のセンスが光りますね。

筆者は語学系の学部だったこともあり、女性は語学に強い事を知っています。

過酷なジャングルという非日常の世界に立った一人ぼっちで放り出された状況がよく伝わってきます。

でもそこには絶望が有るのではなくて

生き延びてやる!

と言う強い想いがひしひしとみなぎっているんですよ。

ジャングルに放り出された臨場感が伝わってきますよ。

ぜひ文体を楽しんで下さい。

ゲームブックの構成

パラグラフは113でそんなに多くはありませんが、遊びごたえは十分です。

ダンジョンのマッピングや入手アイテムのメモなど煩わしいことは不要。

選択肢は二択が多く、稀に三択が現れる程度です。

バトルシーンの様なものも謎解きもありません。

シンプルな作りはページを繰るのがとても楽しみです。

ジャングルでのサバイバルという極限状態のため、間違えた選択肢を選ぶとすぐにゲームオーバーという展開がかなり盛り込まれています。

でもそれは生きることの緊迫感を感じますので却っていい構成と言えそうです。

そのため自ずと指セーブが必然になると思います。

ゲームのクリア方法も一本道ではなく、何通りか有るようです。

イラストが盛り上げてくれる

センスのいいイラストがふんだんに盛り込まれています。

そして同じイラストが自然に何回も流用されて居ることも特徴です。

制作の負担をさほど上げること無く、読者を楽しませることに成功していますね。

教育的価値

そしてこのゲームブック最大の特徴は何といっても教育的要素があること。

ゲームを楽しみながらジャングルというものがどういう環境のものであるのか。

サバイバル技術や野生動物に遭遇したらどう振る舞うべきなのか。

様々なことを学ぶことが出来ます。

素晴らしい試みだと思います。

いかに日本が安全で快適なのかという事を思い知りますし、アマゾンのジャングルが度言うものなのかについても詳しく述べられています。

実はアマゾンのジャングルは毎年広大な土地が失われているし、実際にアマゾンのジャングルに放り出され、生き延びた人がいたことについても触れられています。

ひょっとするとこのゲームブックで自由研究ができるかも知れないほどですよ。

まとめ

このゲームブックでクリアすることは難しくありません。

ゲームオーバーになったら別の選択肢を選べばいいので自ずとゴールに辿り着きます。

しかしクリアすることだけではなく、ほかのクリア方法がないだろうかと模索し、試行錯誤する楽しみがあります。

子供から大人まで存分に楽しめる内容ですので、ぜひプレイしてみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました