こんにちは。
ゲームブック投稿サイトの管理者です。
今回はFT書房さんが放つ龍の山の神殿です。
紹介文を勝手に無断で引用しますと
龍の山の神殿! 歴戦の勇者であるあなたは、魔法の神殿にはびこる魔物たちを掃討するため、旧友の頼みにしたがって冒険の旅に出る。
2007年末に同人作品として刊行され、1年を待たずして完売した幻の名作が、KindleにてFT書房から復活。往年のスーパーアドベンチャーゲームブックを彷彿とさせる作品。
600項目、422ページにわたる本格派ゲームブック。
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ですって。
確かに大作でしたよ。
ソーサリーとか火吹山の魔法使いとか好きな方は要チェックですねぇ。
半ば強引にではありますが、一応最後まで到達したので感想を書いてみたいと思います。
著者のお~もりさんはこの作品を書き綴るにあたり、5点に気をつけたそうです。ネタバレは良くないと思うので詳しくは触れませんがそのことが非常に上手く守られていると思います。
良い点
まず主人公を迎え入れる世界観の描写が丁寧で臨場感があります。思わず物語に入り込んでしまいます。
主人公に与えられるミッションも重厚感があります。へたなRPGは顔負けでしょう。
あと現れる人物や敵の生活感がリアルですね。息吹や気配さえ伝わってくるかのようです。
このように単なる小説として読み進めても十分楽しめる内容となっています。
冒険中様々なアイテムを入手できますが、そのアイテムの存在意義や利用法と言ったものが大変に演出が細かく凝っています。これも楽しい要素です。
冒険のトラップやイベントも嘗ての火吹山の魔法使いやソーサリーシリーズを彷彿させる内容+αとなっており、情景描写がきちんと理由付けになっており、なるほどと納得しながら読み進められる感じが面白いです。
途中主人公の見方となる人物も数名現れるのですが、その人物達とのやりとりも素晴らしい扱いをしています。このへんはかなり丁寧でスティーブ・ジャクソン+浅羽莢子よりも個人的には好きですね。
とにかくゲームバランスも良く、非常に完成度の高い作品に仕上がっています。
悪い点(あくまで筆者個人の意見です!参考程度にどうぞ)
主人公の勇者としての力が弱い
龍を倒すと言う事が読者にはタイトルからわかるわけですけど、その割には雑魚とも言えるゴブリンも数名現れたら強敵というのが個人的には残念です。バトルシステムを導入している以上仕方ないのかもしれませんが、もっと強そうなオーガとかトロールと普通に渡り合える感じのほうが好きですね。
バトルシステムが煩雑
体力、技術のほか武器と防具にも点数の概念があり、サイコロ転がしての計算がちょっと煩雑です。エクセルなどを利用して進めるといいのでしょうけど。
正直まともにバトルシステムをやりながら読み進める事ができませんでした。少年だった頃と比べ、筆者も大人になってしまったため、余程のことがない限りは普通に読み進めてしまいました。時間節約の意味が大きいですけどね。
物語が面白いので、「先に進みたい」と言う衝動を抑えきれなかったと言うのもあります。
リンクミスが有るみたい
リンクが貼られていない項目、間違えたリンクがつけられている箇所がいくつか見られました。全部のパラグラフを見たわけではないですが、自分が気づいたところは下記の通り。まあ、バグではないので大した問題じゃないですね。
- 128: 583へ行けが538にリンクが繋がっている
- 197: 123へのリンクが繋がっていない。手動で移動するしかない
総評
少々価格が高いですけど、それだけの価値があります。悪い点を書いてしまいましたが、良い点の方が大きく上回りますので大変オススメの作品です。
筆者もクリアした、とは書きましたがまだまだ神殿を十分には散策していません。「別の選択肢を選んだらどうなった?」と言うのが気になりますので、何度も楽しめる作品です。
ゲームブック全般に言えることでもありますが、いろいろな分岐を味わうのも醍醐味ですね。
筆者も拙作ながらゲームブックを書いておりますが、大変に勉強になりました。ゲームブックを書いてみよう! と思っている方は一読されると「ああ。これが面白いゲームブックと言うやつなんだな!」と感心し参考になることでしょう。
火吹山の魔法使いやソーサリーシリーズが好きな方なら買いですね。ちょっとくらいズルしてもいいと思いますよ。
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