ゲームブックの進化論

ゲームブック

こんにちは。

あるいはこんばんは。

ゲームブック総合サイトの管理者です。

時流に乗ることは大切で、それはゲームブックについても同様と考えております。

でも、温故知新と言う言葉があるとおり、伝統的なプリミティブなものにももちろん価値があり、リスペクトすべくものでもあります。

今回はその辺のところについて述べたいと思います。

未来は予測不能

このエントリ執筆時点で2020年11月。

新世紀エヴァンゲリオンの想定した西暦(=2015年)を5年も経過してますが、第3東京市のように夕刻とともにニョキニョキと、雨後の筍の如く天空にそびえるビル群を内包した都市は存在していないし、ATフィールドも無いし、人造人間エヴァンゲリオンもシンジくんも存在してません。

でも代わりに、エヴァンゲリオン劇中では存在していなかったインターネットやスマホが現代社会には現れました。

エヴァンゲリオンが制作されたのが1995年、Windows95が発売された年。

未来を描くというのがいかに難しいかというのが伺えます。

それは、考えてみれば凄いことです。

ドラえもんのオコノミボックスが形を変えて実現されたことは周知の事実ですよね。

スマホは動画を見れるし音楽を聞けるし、写真も撮影可能。

予期もせずオコノミボックスみたいなモンが生まれたことはホント凄いことだと思います。

書籍がスマホで読める

オコノミボックスのようにスマホは書籍の代わりにもなります。

無論

  • テレビのようにアンテナを伸ばすわけではなく
  • レコードプレーヤーのように針で円盤をなぞるわけではなく
  • インスタントカメラのようにその場で写真が出てくるわけではありません。

電子書籍は紙媒体のようにペラペラめくれるわけではありません。

スマホにあった形態で目的を果たすわけです。

逆に言うと、ネットと言う広大な流動的な情報網に常時接続され、超高性能なコンピュータであるスマホなのですから、そのスマホの特性を生かした形態で書籍が読者に提示されているかと言うと、甚だ疑問です。

電子書籍よりWebページのほうがずっと高度な処理をすることができますからね。

電子書籍は文字や画像を表示することくらいしかされませんが、Webページは文字画像はもちろん、動画やゲームなど、実に様々な情報をやり取りできます。

電子書籍は読者が一方的に作者側から情報を読み取るだけにほぼほぼとどまっている一方、Webページは読者側からも意図するしないに関わらず情報発信側へにも情報を返したり、送ったりできます。

ゲームブック

ゲームブックの起源は、書籍媒体による、ひとりTRPGであったり、あるいはCYOAの様にひとりアドベンチャーゲームでした。

TRPGがオンラインセッションで盛り上がりを見せるように、ゲームブックもネットやスマホでもっと進化出来るはずです。

でもゲームブックと言う名称は、ゲームと言う単語を含んでいるので、アプリにしてしまうと基本無料、App内課金と言うビジネスモデルじゃないと成立しにくい。

なので単純なる進化ですと、収益的に非常に難しいので、頓挫してしまったゲームブック制作ディベロッパーが数多くあります。

その辺のことを熟知していらっしゃると思われるのが、幻想迷宮書店さんとFT書房さんです。

幻想迷宮書店さん

幻想迷宮書店さんは電子書籍による往年の名作の再リリース、時流にあった新作の出版を行っています。

よくネットでは「往年の名作を電子書籍でリリースしてほしい」「英語版しかないから日本語版出してほしい」と言う声を聞きます。

ところが内情を見ると版権の問題が我々が想像する以上に深くて複雑で、こんがらかったより糸みたいなもんなのです。

根気よく粘り強く、更には駆け引きを念頭に入れた交渉をしないと実現はホント厳しいのです。

英語版を日本語版にするのも別の困難が横たわっており、まずはコストで合いません。

その辺のところを長年の経験と迸る情熱でよくぞ低価格でリリースしているなと感心しきりです。

FT書房さん

FT書房さんは電子書籍版もありますが、製本機を自社で用意するほど紙媒体に拘り、ユーザーとの交流をとても大切にしているのでコミケなどのイベントでの販売に力を入れています。

電子書籍より紙媒体が優れた点はこちらのエントリで触れました。

解くのが困難なゲームブックでは紙の方がいいことは、マーシャル・マクルーハンによる「反射光」と「透過光」の性質の違いで説明できます。

FT書房さんでもう一つ特筆すべきは毎日無料のメールマガジンを発行しているところ。

そして毎週日曜日には無償のミニゲームブックを配布しているのです。

最近ではYouTubeでも情報を発信しています。

躍進がますます期待されるところですね。

筆者の立場

このように幻想迷宮書店さんとFT書房さんが熱心に熟慮のうえゲームブック再興の活動を継続的に行ってくれているので、筆者などは自由にやりたいことを出来るなと感謝しています。

一つの進化系はノベルゲーム?

筆者がゲームブックに関心を抱いているのは、選択肢を含む物語を作成する事に価値がある、と考えているからです。

なので、必ずしもゲームブックに拘泥する必要もないと言えば、ないです。

だったらノベルゲームでも良いのではないか、と言う向きもあります。

ただそれは3つほど理由があって

  • ノベルゲームは立ち絵、背景、BGM、テキスト、演出など、制作コストが高い
  • シケモクMKさんのおかげでノベルゲーム作成ツールや投稿サイトが充実している
  • UIが筆者は苦手(一文字ずつ出てくるセリフなど)

以上から筆者の出る幕はないのです。

チャットフィクション型

以上、長々と書いてきて、結論をようやく言うとチャットフィクション型のインタラクティブフィクションじゃないかなと思っています。

チャットフィクションは……今でも流行っているんですかね?

2017年頃欧米で現れたLINEみたいな外観の小説なんですよ。

タップしながら次のセリフを表示させる仕様になっています。

毎度毎度タップして読者は疲れないのかな……と心配になりますけど。

筆者はトークアプリの様に、まるで登場人物と読者がメッセージを交わすかの如く、読者は場面ごとに選択肢を選んで読み進めるという形態のゲームブックを考えています。

これは2015年頃流行ったLifieline…シリーズを世襲したような感じです。

ディベロッパーの3Minute GamesはAppleのサイトでも紹介されていたほど、当時は盛り上がりを見せていました。

developer.apple.com

でも数年前にスマホアプリのリリースはしないことになり、この辺りのビジネスの難しさを如実に物語っています。

投稿サイトならどうか

チャットフィクション型のゲームブックをスマホアプリなどで販売するのは難しくとも、気軽に短編を投稿できるようなサイトにしてみてはどうか。

小説投稿サイトは日本はもちろん海外でも多数あります。

でもゲームブック専門の投稿サイトは少ないですし、ましてやチャットフィクション型のインタラクティブフィクション専門のサイトはほとんど見かけません。

まだまだβ版ではありますが、筆者が投稿できるような仕組みを施しましたのでご覧いただければ幸いです。

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