【ネタバレなし】怪獣自衛隊・レビュー。シン・ゴジラに迫るリアルと葛藤、そして助け合いの人間模様。

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ゲームブック総合サイトの管理者です。

漫画はそれなりに読みますため、お勧めの作品があればこのブログでも紹介していきたいと思います。

さて、このエントリ執筆時点では1巻がKindle Unlimited対応の人気作品、「怪獣自衛隊」をネタバレなしでレビューいたします。

ご存じの方も多いでしょうが、Amazonプライム会員なら、Unlimited対応のKindleと呼ばれる電子書籍は無料で読むことが出来ます。

未加入の方もわずか月々500円で、そんなの漫画1冊買うと思えば余裕で元が取れますのでどうぞ

(申し訳ありません。ご指摘があり確認しましたらそれはPrime Readingと言う別のサービスです。月々980円のKindle Unlimited会員になる必要があります。お詫びして訂正させて頂きます。)

怪獣が現れた

いにしえよりウルトラマンのあたりから、怪獣というのは日本人の心を掴んで離しません。

最近ではゴジラvsコングと言う映画がアメリカで封切りされ、このエントリ執筆時点での興行収入は$427,170,658。

日本円にして470億ですから、400億の男・煉獄さんよりも人気という事実が露呈してしまいました。

ゴジラvsコングでは、怪獣がゴジラで人類の味方がコングと言うように、大型生命体が怪獣をやっつけてくれるのが相場です。

ところが怪獣自衛隊ではそんなヒーローは現れません。

ウルトラマンは勿論、スーパー戦隊や、仮面ライダーを始め、モビルスーツも赤い彗星も宇宙戦艦ヤマトも汎用人型決戦兵器人造人間エヴァンゲリオンも出てきません。

それなのに突如日本の尖閣諸島付近で得体のしれない巨大な化け物が出現します。

無理ゲーじゃないですか。

付近を航海していた600名を乗せた豪華客船が格好の標的となってしまいました。

名称すら与えられていないこの化け物、今後は「怪獣」と表現します。

怪獣はとてつもなく強い。

進撃の巨人で現れた巨人のようです。

つまり、人間を好んで捕食するのです。

さらには高度な知能を持ち合わせており、人類の戦略をあざ笑うかのように先読みし、攻撃を仕掛けてきます。

切り札は、自衛隊しかありません。

日本政府

ところが「怪獣自衛隊」の世界観では実に写実的な描写がなされているのです。

とてつもない危機が迫っているのに、あらゆる葛藤が駆け巡ります。

そもそも自衛隊が尖閣諸島で攻撃をする、ということがどういうことなのかと。

下手に武器を伴う攻撃を始めてしまうと、中国を刺激してしまい、新たな火種を生んでしまいます。

その上、日本国憲法9条の2項が立ちふさがる。

軍隊を持たない「戦力の不保持」と交戦権をみとめない「交戦権の否認」に、政権は苦悩します。

もちろん怪獣は人類の都合なんて考えるはずがありません。

日本ですね、戦争しないんですね、じゃあ中国だけを狙います、ってなるはずがない。

さらに中国がこの情勢を自国に都合がいいように利用しないはずがありません。

情報が少ない上に錯綜する中、政権がとる選択肢は?

残酷なことに、ぐずぐずしているとさらに犠牲者が増えて行きます。

主人公は2人

本作では主人公が2人いると言っていいでしょう。

客船に乗り合わせていた主人公の1人は勇敢にも怪物と戦いを開始します。

怪獣には人類を捕食すると言う目的があり、実に効果的にコトをなそうとしてきます。

人が食べられる場面を目の当たりにし、精神的なダメージも計り知れない中で、決して諦めずに立ち向かう等身大のヒーロー。

怪獣に弱点はないのか。

どうしたら乗客を助けられるのか。

時には我がままを言う乗客や、呑気に実況を始める人物もいます。

しかし彼らモブキャラにも、ぞれぞれのいい面が発揮される描写もあり、読む人の心を打ちます。

仲違いや炎上なども主人公に降りかかりますが、それらをはねのけることが出来るでしょうか。

もう1人の主人公

怪獣に客船の乗客が皆殺しに遭う絶体絶命のピンチ。

もう1人の主人公が現れます。

正確に言えば、読者がプロローグで既に見かけた人物。

かけがえのない人を怪獣によって失った恨みもあり、敵討ちのために自衛隊で奮闘してきたのです。

前述の通り、日本政府は簡単に怪獣への攻撃命令を下すことが出来ません。

果たしてその主人公は怪獣を倒し、乗客600名を助け、自らの仇討ちを果たすことが出来るでしょうか。

様々な思いが錯綜

本作は緻密な状況描写が卓越なのですが、それに負けないほど、あらゆる登場人物の心理描写が丁寧になされています。

一つのテーマは自衛隊の存在価値。

金曜日はカレーの日

3.11東日本大震災の大震災を始めとして、あらゆる災害・事故に巻き込まれた住民を救助し、危険で命がけの任務につき、日々鍛錬を油断なく続けています。

それなのに社会の見る目は冷たく、まるで自衛隊員が戦争を好んでいるかのように悪く言う人たちがいます。

被災者の前では自分たちは食事をすることですら控え、温かい食事は被災者へ、自分たちは冷たい缶詰を黙々と人目から隠れて早食いする。

普通に被災者と一緒の食事を摂ってもいいのに、それを第三者的な目で見て批判する人たちがいるからです。

本来自衛隊員が戦わなければならないのは国民の安全を脅かす危険な存在に対してだけのはずです。

それが批判する人たちの視線とも戦い、さらには、その批判する人たちが危機に陥れば、その人達を助けなければならないと言う理不尽な状況におかれています。

自衛隊員の自殺は毎年60人から100人ほどいるそうです。

作者や編集者の方はその様な不遇の自衛官に光を指したのではないでしょうか。

命を救われた人たちにいくら感謝されても敬礼して「自分は当然のことをしたまでです」とだけ答える自衛官たち。

ヒーローはいない、のではなくて、彼らこそがヒーローなのです。

自己犠牲と人命救助

人間パニックに陥れば、他人のことなど考える余裕もなく、利己的な判断と行動をします。

しかし本作ではたとえ自分が犠牲になろうと、他人を救おうと言う展開が多く見られます。

モブも輝いている

主人公や重要人物ばかりではなく、チョイ出のモブキャラにすら人間模様や心理描写が丁寧に表現されています。

登場序盤は人間としてはずべき行動を取るモブキャラも、主人公に助けられて恩返しをしようと奮闘する展開が結構あります。

読者はその一部終始をみて、「あ、実は良いやつだ」と向きかえ、爽やかな読み心地になります。

キャラによっては死を覚悟して、人に尽くしつつこの世を去っていく場面もあります。

果たして自分はこんなに美しくに死んでいけるだろうかと読者は自問自答するのです。

また残された人が、「自分だけ生き延びてごめん」と自責の念に陥るシーンもありません。

様々な葛藤がある中で、その様な描写がないことで、読者は素直に助かってよかったと読み進めることが出来ます。

主人公の1人がとても真面目で明るい性格なので、人が死んだりグロテスクな場面があってもさほど重く受け止めずに済むのです。

謎と陰謀

なぜこの様な人類を捕食する巨大生命体が突如出現したのか。

単なる偶然とは思えない事象が少しずつ露呈していきます。

物語が進むと、そのあたりの謎が解明されていくことでしょう。

人類と怪獣の戦いに終止符を打つまで。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

  • シン・ゴジラを漫画で読み勧めているかのようなフィクションでありながらの現実感。
  • 主人公が2人いる豪華な展開と、モブキャラに及ぶまでの丁寧な心理描写。
  • 謎が徐々に解明されていく推理小説のような読み心地。

が大変素晴らしい作品となっています。

ぜひお読みください。

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